High end Audio, for High end Sound.

W Mini

日常の中心に音楽を

HiFi Clubのコラムから翻訳掲載

「小型、高効率の時代」

高級志向のハイエンドオーディオと、一般製品のゼネラルオーディオと、2つのオーディオ市場は、お互いの長所をやり取りしながら発展を遂げてきた。正確に言えば、ハイエンドオーディオがゼネラルオーディオ市場の音質向上を刺激する。極端な高音質を追求する小規模なハイエンド市場は、一般的なオーディオを指向していないので、むしろ新しい発想の源となる。しかし、大量生産、コスト削減のための大型家電店の経営方針と設計哲学は多くの場合不動の姿勢である。わずか数円のコスト削減のために、安価な部品を採用することが一般的な音響家電の現実である。

一方、現在最も普及している音響機器のトレンドは小型化、スマートデバイスとの融合、エネルギー効率の最大化などがその中心である。これを満たしながら高音質を実現するのは更に難しくなっている。小型であるほどリニア電源を採用するのは難しくなり、クラスAは考えることさえできず、ABクラスも大衆が願う小型サイズのためには実装するのは困難な死闘だ。こうした中、デジタル増幅は神の一手と言える。しかし問題は、音響家電は音質においては不適切な妥協をしている。スペックを重視し、MP3やWAVファイルの区別を重要視しない一般大衆に合う程度のレベルの音質と無意味なスペックを並べ、数十万台、数百万台の製品を販売している。

それにもかかわらず、高品質の音楽再生のために奮闘しているメーカーがある。B&Oのアイスパワーモジュールはハイエンドオーディオマニアたちの間で知られているが、高効率、低コスト、大量販売を目的とするメーカーには負担が大きい。しかし代案が無いわけではない。例えばNADのようなメーカーは、デジタル増幅という効率的な技術によって小型化に成功した。DDFAという技術がこれを支えている。最近デノンDRA-100のような場合にDDFAを非常によく活用した事例と見ることができる。

Waversa Systemsの W Mini

このような中でウェーバーサシステムズは、小型、高効率といったオーディオのトレンドに合致する、W Miniシリーズを開発した。
これらはこれまでのデノンなどのメーカーとは別の次元で実現した。単に既存のデジタル増幅モジュールを使って入力/出力段に、自社のソフトウェアをプログラムする方法より更にディープな手法を採っている。
独自の技術でデジタル増幅設計を考案しており、非常に理想的な周波数カーブを直接制御できるプログラミングをR&Dによって開発した。
徹底的に資本主義論理のもとで、大量生産、大量消費を経る大型家電メーカーが辿るプラットフォームに、高音質プレミアムを投げかけた企画だ。

このような設計手法は、ウェーバーサシステムズのこれまでのラインナップを見ると十分に納得できる。オーディオマニアの間では既に実証され知られた方式である。問題は、このような小さなサイズでどの程度のリニアリティを確保できるのかである。W Miniは基本的に、音声信号のリニアな周波数カーブを実現し、デジタルの短所を相殺し、アナログとデジタルの長所を融合させることに設計焦点を置いている。

W Mini AMP

アンプを例に挙げてみよう。W Miniアンプは、アナログ信号の増幅のようにリニアな周波数カーブを持ち、同時に更に高精度な周波数特性を得るためにPCMデジタル変換およびPWM増幅方式を採用している。小型でエネルギー効率が高く、高音質を実現するために最も効率的な方法はデジタルアンプに絞り込んだのである。入力したアナログ信号はADコンバートを経てPCM信号に変換され、PWM増幅をする前にデジタル補正の過程を経る。これこそがW Miniだけでなく、全てのウェーバーサシステムズデジタルアンプの核心である。そして、この重要な課程を処理するのがWAP(Waversa Audio Processor)プロセッサである。

W Miniには、ALTERA社のFPGAをプログラムしたWAPプロセッサチップセットが内蔵されており、このプロセッサによってウェーバーサ独自のWAPシステムは完成した。WAPが処理する内容は、最初にアナログ信号をAD変換でデジタルPCM信号にした後、元の入力された信号化出力信号を交差比較して最終的に歪みを最小限に抑えた信号を生成する。このため、高精度なローパス/ハイパスフィルタープログラミングが使われる。理論的に見て、入力された信号を直接PWM増幅し、膨大な量のスイッチングプロセスによって増幅するDクラスアンプに比べて利点が多い。しかしそれは、プロセッサによる最終的な出力の完成度の結果論的な評価である。その肝心のWAPの性能は、すでにウェーバーサ社のAMP 2.5で確認されている。

W Miniアンプはデジタルアンプで、別のDACなしにデジタル信号を処理できる。しかし、デジタルCoaxial端子のみをレイアウトし、他のデジタル入力機能は専用のDACに割り当てた。その主人公はW Mini DACに、DAコンバートの他に、多様な機器とのインターフェースや専用DACチップセットによってPCMからDSDまで自在にハンドリングする。例えばテレビやゲーム機との光接続、パソコンとのUSB接続、CDプレイヤーと同軸、更にUSBメモリーやUSB-HDDからの再生もできる。最も有用なのは何と言ってもイーサネットである。NAS(LAN接続のHDD)システムを構成する場合、ネットワーク内で簡単に音源を共有リモートコントロールで再生して楽しめる。

W Mini DAC

W Miniアンプと同様に、W Mini DACの確信もウェーバーサシステムズ独自のアルゴリズムで構築されているWAPだ。DACチップセットはESSテクノロジーのリファレンス級のチップセットで汎用性の高いチップセットES9018K2Mが搭載された。このチップセットはDAコンバートだけでなく、クロック、アップサンプリング、ゲイン調整など、さまざまな機能を持つが、W Miniで重要な機能は全てWAPがコントロールする。WAPは既存のFPGAにハードウェア記述言語(HDL)でソフトウェアを開発されたFPGAと言える。そしてこれにより、単にコンバートとアップサンプリング、クロック制御するだけでなく、入力された音源の波形本来の特性を追跡して解析演算することに成功した。したがってこれはアップサンプリングではなく、Estimator(推定)機能と見るのがより正確である。アップサンプリングは、階段の数を細かくしていくとすれば、Estimatorは階段の段を繋げ合わせる処理と例えられる。

この他にクロックは44.1kHzと48kHzの2系統に個別の高精度MEMSクロックで対応し、最大源に精度を高め、出力もOP275を使ってバランス回路を構築した。DSD再生にはDoP、DSD信号をPCMデータにパッキングして送信する方式を採用している。また、低消費電力のARMシステムを搭載し、Airplay(β機能)、DLNAに対応した非常にコンパクトなネットワークシステムを内蔵している。サイズを考えると非常にスマートなアイデアと素子、そしてと卓越したソフトウェアプログラミング技術を最大限に集積化し、音質的な長所を効率的に最大化した姿である。

W Mini NAS

これに加えてW Miniシリーズにはボーナスのような製品がもう一つ登場した。まさにW mini NASがそれで、これは他のNASを使っていないユーザー、または既にNASを使っているユーザーのどちらにも有効な製品と見られる。内蔵ストレージの振動や騒音を最小限に抑え、ただ音源ストリーミングのためだけに、非常に静かでスムーズに動作するW Mini NASは非常に速く、迅速にW Mini DACに音源を供給してくれる。

セットアップ

テストのために届いた小さな箱に、アンプとDACとNASが全て入っていた。ネットで見て想像していた大きさよりもはるかに小さい。まるでアップルTVやMac miniを想像させるコンパクトなデザインはキュート極まりない。そして前面には動作状態を示すLEDがぎっしり詰まっている。まるで点描画を連想させる。このくらいのサイズであれば、オールインワンで設計するのがメーカーの立場では、より便利でコスト的にも利点だろうが、それぞれ別々に電源を供給させて、別のシャーシに収納して作った。それぞれ別の活用性を持つ他の機器と自由に混在させることができる点と、実際の音質的にも分離された方が当然良い点などでは良い評価を与えられる。

マッチングスピーカーでは、最近一般的に最も売れた最新ブックシェルフモニターのKEF LS50を使用した。ここにW Miniアンプをワイヤーワールドのスピーカーケーブルで接続し、背面が少し煩雑になるが、かなり大きな端子も使用可能だった。USB接続は使わず、NASによるネットワークのストリーミング音質を行った。もちろん現在はApple Airplayもサポートするが、ネットが最も安定して優れた音質を示した。とにかくセッティングから音楽を聴くまでの作業は非常に直感的で簡単なものだ。ネットワーク再生の知識が無い一般的な方達でも楽に使える高音質オーディオとしての要点は十分に備えている。

インタフェース

アンプは24V DC、DACとNASは12V DCアダプタを使っている。アンプは少し温かい程度の温度に上がり、他はやや温かい程度なので重ねて使用しても問題は無いレベルだ。また、NASは1メートル以内の近さで使う場合でなければ騒音や振動はほとんど気にしなくていいほど静粛である。スピーカーによるノイズレベルは非常に静かなレベルではないので、非常に近い距離で聴く場合、人によっては多少気になる場合がある。DACはアップサンプリングによる音質の違いやノイズレベルの差が存在するが、x8オーバーサンプリングに固定して使用することが音質的に最も優れている。一般的なアップサンプリングとは異なるウェーバーサ独自のResolution実装方式であるEstimatorアルゴリズムのお陰だ。

リモコンはアンプとDACの両方で使う四角い金属のリモコンで、アンプの電源は、入力選択と音量調節、DACの電源と入力の選択、アップサンプリング、ゲイン調整などの機能を持つ。リモートアプリでは現在までに、独立したアプリのコントローラを持っていない。残念な部分はあるが、本社で開発中であり、現在でもLINN KAZOOアプリで音源を再生でき、コントロールに特に不便はない。また、NASとDACのネットワークストリーミングはほとんどPlug&Playレベルで自動的にすばやく認識され便利だ。

試聴

Adele - Hello
Adele - 25

W Mini SeriesをKEF LS50とセットアップして最初に聴いてみると、まず立体的な定位感が最も目を引く。そして、このような定位感はデジタルアンプとして内部信号増幅過程に起因するものだ。まず、アデルの新曲「Hello」(16bit/44.1kHz、Flac)では非常に華やかで残響も自然だ。

アデルのボーカルの響きはロールオフが全く感じられず、開放感がとてもクリアーに広がるスタイルだ。クリアーで乾いた高域ではなく、ハイエンドのアンプやソース機器のように伸びやかで開け放たれている。しかし粒子は細かく澄んで、全く冷たくはなく、デジタルアンプのマイナスの特徴はほとんど希釈されている。レベッカピジョンの「Spanish harlem」(24bit/96kHz、Flac)を聴いてみると、フォーカスが非常に明確で、前面に張り付いたり後ろに埋もれてしまう音場がなく、ニュートラルな層を形成する。

Alice Sara Ott&Francesco Tristano - A Soft Shell Groove
Alice Sara Ott&Francesco Tristano - Scandale

アリスサラオートとフランセスコ トリスタノ「A soft shell groove」(24bit/96kHz、Flac)でW Mini DACのResolution性能を把握することができた。同一の情報量でサンプリングレートを上昇させた時、多少神経質でワイルドな粒子感を作り出すアップサンプリングとは完全に異なる機能である。Estimatorをx8に設定した時、音は最も美しく表面のテクスチャーが安定し、柔らかくなることを確認できる。

特別な状況が無ければx8に設定して聞くのが良いだろう。素早く展開するピアノの響きはきれいですっきりとし、まるで情報量が増えたように柔軟に滑っていく。ピアノのオクターブ移動の継ぎ目が自然につながるハーモニクスが美しい。燃え上がるようで、しかし素早い音符の動きが端麗に展開する。透明な水晶のような響きが終始一貫して立体的に空間を自由に動き回る。

Buckshot LeFonque - Wonders&Signs
Buckshot LeFonque - Buckshot LeFonque

W Mini Seriesが現すリズム、タイミング、フェイス特性は異彩を放つ。例えば、リチャードボナの「Bisso Baba」(16bit/44.1kHz、Flac)ではエレキベースは非常に強力というよりも敏捷的でとても柔らかで弾力的だ。ジャズサックスのブランドフォードマーサリスのプロジェクト、バックショットの「Wonders&Signs」(16bit/44.1kHz、Flac)のような曲でも同様だ。

W Mini Seriesが特異なのは、華やかな音色とクリアーな倍音特性を持ちながら、アタックからリリースまで非常に高速で明快である。弱音と強音の緩急の調節が非常に弾力的であり、早いリズムに乗るパッセージでも機敏に反応し興をそそる。特に、小さい音量でも左右偏差がほとんどない精巧なボリュームのおかげで、ダイナミクスの損失なく低音量でも充実した音楽鑑賞が可能だ。デスクトップ環境やBGM用に非常に大きな長所である。

ベンフォルズの「Capable of anything」(16bit/44.1kHz、Flac)のようなポップレコーディングでは、コンパクトな質、迅速な周波数応答と機敏な力と調節の特徴が明らかになる。しかし、このような曲を聴いてみると、クラリネット、フルートのほかに、ストリングスセッションなどの高域で、ディテールが散漫になったり鈍くならず、クリアーで正確な表情を示す。
高域は開放的で、適度にリズミカルで密度感も高く引き締まっている。高域の弱音も繊細に表現し、すなわちマイクロダイナミクスが優れている。温度感が高い方ではないが、硬くも乾燥でもない淡泊な音だ。もちろん真空管のそれと同じような豊富な残響とソフトなタッチよりも機敏でコンパクト、かつ滑らかな音だ。

Claudio Abbado&Lucerne Festival Orchestra - Scherzo
Bruckner:Symphony No.9

「Fanfare for the common man」(16bit/44.1kHz、Flac)や「Way down deep」(16bit/44.1kHz、Flac)などのレコーディングによって低域の輪郭、量感、深さなどを聴いてみる。その大きさはミニマルな代わり非常にきれいでソリッドな低域である。重厚感よりは階調表現に優れたコンパクトな低域を駆使するため、濁ったりつぶれない。

個人的にはKEF LS50にマッチングしてみた5~6個のソリッドステート、真空管アンプの中でも有数の性能である。ブレーズのマーラー5番第1楽章(16bit/44.1kHz、Flac)、アバドとルツェルンフェストのブルックナー9番第2楽章「Scherzo」(16bit/44.1kHz、Flac)もブーミー感も無く大きなスケールを上手に消化した。低域スケールと大きさから考えればサブシステムに最適だ。

総評

マスプロダクト市場で音質を最優先に製作して成功を収めた事例は現代では見つけるのは難しい。いつからか、日本やイギリス、アメリカのライフスタイル製品、利便性を優先したBluetoothスピーカーなどが私たちの周りにある。
ウェーバーサシステムズのW Miniシリーズが嬉しいことは、大多数の大量生産品、家電メーカーが必ず至る過酷な音質的プレミアムを小型オーディオ機器で実現したことだ。独自のコントロールアプリなど、細かい問題だけ解決すればハイファイオーディオ愛好家の机や書斎、一方でくつろげる多目的高音質オーディオとして活躍が期待される。

一方、大量生産大量販売市場の低音質オールインワンを見慣れた一般大衆は、このような小型機器でもどれだけ高音質が実現可能かどうか改めて気づく事になる。小型、高効率を目指す最近の家電トレンドに高音質が結合したスマートオーディオの出現は喜ばしい。日常の中心で音楽を単に聞くのではなく、聴きながら見て楽しむものでもある。テレビと接続し、音楽番組を鑑賞する時間すらもっと楽しくなった。

Specification

W Mini DAC

  • Convertor Type:Waversa Processor Type 1 applied Built-in
  • OS:Linux 3.2 with 1GHz TI OMAP Processor(ARM CORTEX-A8)
  • D/A Convertor:Single ES9018K(Sabre)
  • Clock:MEMS Clock Module
  • Digital Input:768KHzアップサンプラー内蔵 (384kHzまでアップサンプリング可能)
  • Optional Digital Input:Ethernet:RJ-45, Coaxial, Optical
    USB -PCM 44.1, 48, 88.2, 96, 176.4, 192, 352.8, 384 kHz
    COAX, OPT -up to 96kHz
  • Input Sample Rate
    USB - PCM 44.1、48、88.2、96、176.4、192、352.8、384kHz
    USB - DSD64、DSD128(DoP方式)
  • Analog Output:XLR x1Set, RCA x1Set
  • Output Signal Level:100%RMS 2.9V@0 dBFS
  • Line Voltage:90〜120 VAC / 180〜240 VAC @ 50〜60Hz
  • Dimensions:W180 x L150 x H37(Foot Spike 7 mm)mm
  • Power Consumption:12W
  • Weight:2kg

W Mini AMP

  • Digital Processor:Waversa Processor Type 1 applied Built-in
  • Configuration:Fully balanced differential、stereo
  • Input:Digital Input(Coaxial)x1, XLR x1, RCA x1
  • Outputs:Speaker Output
  • Power Outputs:70W per channel into8Ω、100W per channel into4Ω
  • Frequency Response:10Hz~20kHz、+0.1/-0.5dB
  • Power Requirements:DC24V
  • Dimensions:W180 x L150 x H50(Foot Spike 7 mm)mm
  • Weight:3kg

W Mini NAS

  • Digital Processor:Waversa NAS processor
  • Nas Program:Twonky Media Server
  • Input:USB-A x2, Micro SD x1(ファームウェアアップデート用)
  • Outputs:Ethernet Port
  • Power Requirements:18W、DC12V 1.5A
  • Dimensions:W180 x L150 x H35(Foot Spike 7 mm)mm
  • Weight:2kg
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