スーザン・ウォンの「’Sound of silence」(24/96、Flac)で示したボーカル音像は非常にリアルだ。加えて、背景は真っ白なキャンバスの上に最初に刷毛塗りをするように鮮度の高い音色が広がる。音と音の間の空間に呼吸できる空間が木々の間を吹き抜ける風のように爽やかで、ボーカルはその顔だけでなく、体全体が見えるかのように鮮明だ。このような実体感の向上は、だいたい低解像度デジタル音源ではかなり平面的で単調に聞こえがちである。もちろん、この曲は24Bit/96kHz音源だが、今まで感じることができなかったホールトーンとともに柔らかな高解像度の服を着て現れた。
Francois Lazarevitch-Vivaldi il Gardellino Les Musiciens de Saint-Julien
Kyung-Wha Chung-Bach Violin Partita No.2 Itamar Golan
WCOREによってRoon RAATで鑑賞する音源は、解像度に関係なく、既存のネットワークプレーヤーとは異なる境地の音質を聞かせてくれる。しかし特に高解像度音源でその特性が最高潮にアップする。例えば、1988年4月28日、日本のサントリーホールで登場したチョン・ギョンファのバッハ「シャコンヌ」がそうだ。聴衆を金縛りにした演奏で、この録音を収録したLPをタスカムDA3000を使ってDSD128で録音して聞いた。私はVAN DEN HUL COLIBRIなどを使って録音したこの音源を、このようにLPに迫るサウンドで再生するネットワークプレーヤーを見たことがない。デジタルノイズとジッターの下に埋もれていた音の粒子が一挙に出てくる時に鳥肌が経つ演奏を再現してくれる。当時、観客席にいたポリーニが絶賛した理由が分かるようだ。