HiFi ClubでWaversaSystemsが新たに開発したW CORE発表試聴会を行いました。
W COREはRoonをベースにしたネットワークプレーヤー用専用機です。既存のDLNAベースのネットワークプレーヤーを使うためには、コンピューターが必ず必要で、そのコンピューターのノイズによってジッターが発生し、高周波ノイズはDACに伝わり、そのままアナログ段に流入し、大きな音質低下をもたらします。
W COREはノイズZEROに挑戦するハイエンドオーディオ用コンピューターです。Linuxベースのコンピューターで、マザーボードのノイズ発生を最小限に抑え、リニア電源部とリチウムイオンバッテリーによって、内部で発生するノイズが外部に放出しないように設計されています。
ネットワークプレーヤーは、新しいハイレゾのフォーマットで、CDよりも音質は優れているはずですが、実際はそうとも言い切れません。その理由が何なのか。従来のDLNAネットワークの欠点を補完したRoonは、どのような音質なのか、ネットワークプレイの最大の欠点であるコンピューターのノイズが無くなる時に、いったいどんな音が出るのかを探る時間でした。
ネットワークプレーヤーとRoon(一般的なパソコン)のブラインドテスト
試聴会を開始して、ブラインドテストを行いました。ネットワークプレーヤー(W DAC3 mk-II)とRoon(一般的なパソコン)+W DAC3 mk-IIの音質を比較しました。ほとんどの方がネットワークプレーヤーの方が音が良いと答えました。
Roonを既にお使いの方たちは、「Roonはインターフェースが楽だから使うが、音は繊細で少し細くて力がない」という意見があります。ネットワークプレーヤーの方が解像力が高く力ももっと良いと評価しました。
聞き始めは、DLNA方式のネットワークプレーヤーがより良く聞こえます。しかし、詳しく分析しながら聴いてみると、ネットワークプレーヤーの音はノイズによって荒く、誇張された音がするというのが、今回の試聴会で確認されました。
試聴会の結果
試聴会の結果は、Roonを使用したW COREの圧勝でした。W COREは、CD、ネットワークプレーヤーと比較して相対的な優位を見せたのではなく、絶対的な音質のクオリティを見せ、優れたサウンドを提供しました。
W COREとRoon
W COREとRoonと関する資料は、5回にわたる連載を行いました。詳しい情報は、そちらをご覧ください。ここで簡単に説明すれば、Roonは既存のネットワークプレーヤーで使用するDLNAプロトコルの限界を克服するために、アナログのように連続した信号を送るRAATというプロトコルを使用したソフトウェア的改善で、W COREはRoon専用マシンでコンピューター(パソコン)の高周波ノイズを画期的に無くしたハイエンドオーディオ専用パソコンだと言えます。
W CORE 実験/技術情報
ネットワークプレーヤーの音が良く聞こえる理由
人間の耳は小さい音だと比較的高音と低音が聞こえにくくなります。それで、数年前の大衆向けオーディオには「ラウドネス」ボタンがありました。そんな人の耳を考慮し、小さな音でも高域と低域をよく聞こえるようにゲインを上げる機能です。
Roonと比較試聴で、最初の聴き始めは、ネットワークプレーヤーがもっと豪快で解像力が良く聞こえるのは、これまで聞き慣れた音であり、コンピューターのノイズが2~5kHz帯に集中して、鮮明で音色が華やかに感じる事があるためです。
W CORE音質比較分析
それでは、本格的にW COREの音楽別音質比較をしてみます。ここに書く内容は試聴会の参加者の方々と一緒に聞きながら分析をした内容で、出席した全ての方々が同意した内容を掲載しています。
試聴環境
- スピーカー:B&W 802D3
- アンプ:アブソラレード 845パワー
- プリ:アブソラレード シグネチャプリ
- CD Player:コードレッドリファレンス
- ネットワークDAC:WaversaSystems V DAC(32bit Flagshipのテストバージョン)
- PC:Roon/i3 ASUS Board、Windows 10
- W CORE:Roon with WSmartHub
- 一般Hub:Netgear 4 Port 高級型(シールド、アース)
- スマートハブ:WaversaSystems WSmartHub
B&W 802D3スピーカーは、モニター的正確な音色で、このような比較試聴に最適のスピーカーです。
アブソラレードパワーアンプとの組み合わせで、極めて性格で鋭い判断を下すために大きな役割をしてくれました。
アブソラレード 845パワーアンプとシグネチャプリアンプ。
真空管特有の透明な音色と優れた駆動力で、B&W 802D3と素晴らしいマッチングでした。
アルバム比較試聴
Salena Jones / You don’t bring me flowers
実際にこの曲のように、オーディオシステムによって変化に富む曲も無いでしょう。女性ボーカル、コントラバス、ピアノのシンプルな音楽だが、システムの性格を非常によく現す曲なので、HiFi Clubでテスト用の曲で最も多く聞きます。
この曲では、サウンドステージの高さ、音像の大きさ、周波数帯域を確認できます。オーケストラでもなく、ボーカルでサウンドステージの高さをチェックすると、首をかしげる方もおられるでしょう。しかし、この曲ほどサウンドステージの高さを容易に測定できる曲もありません。コントラバスの高さとボーカルの高さが明らかに別に出てこなければなりません。コントラバスは低く位置し、コントラバスの低域が下がり音色が変わったりコントラバスが大きくなれば、周波数帯域が適切に出てないのです。
チェック事項:サウンドステージ(高さ)、音像の大きさ、音色、帯域(低域のクオリティ)
今、皆さんのオーディオシステムでこの曲をテストしてみてください。
正確な音の基準は、
- コントラバスの音像は歌手ボーカルより低く位置する。
- 歌手が立って歌い、コントラバスの低域は演奏されるコントラバスの共鳴胴の位置(歌手の腰の下)に正確に出る。
- コントラバスの低音域がサウンドステージ中間の高さで濁らず膨らまず、床に深くなる。
- 歌手の音像がコントラバスの音像より大きい。
- 歌手の声が近く、あまり厚くはならず、歌手のハスキーボイスの中に明確な声帯の音が聞こえる。
しかし、ほとんどのオーディオでは、コントラバスの低域の高さとボーカルの高さが近いか同じようになっており、特に歌手の音像がビッグマウスでコントラバスより大きく、巨大な歌手の音像の中でコントラバスがミニチュアのように入っているように聞こえます。コントラバスが低音を演奏すれば、コントラバスの音像が大きくなり、サウンドステージの下に下がらず、間の高さ(本来の高さ)で太って膨らんだりブーミーになって低域を部屋いっぱいに満たします。
CD
やや鋭く音が広がり、クリアーさが足りないが、ネットワークプレーヤーと比較すれば、より音楽的に聞こえます。柔軟でソフトだが、全体的にステージと音像が小さく、空いた空間もほとんど作られません。コントラバスは小さく落ち着きなく全体的に帯域が狭いです。サウンドステージの高さは歌手とコントラバスが同一線上に並んでステージの下にあります。
歌手の声のトーンの彩度も不足感気味で、ネットワークプレーヤーに比べて解像力の不足を感じます。女性ボーカルが透明に内部が見えるのではなく、マスクを付けて歌っているように息苦しく空間の広がりもなく吸音処理された閉鎖された空間のようです。
ネットワークプレーヤー/一般的なルーター
聴き始めは解像力が非常に良く聞こえます。音色も濃く出ます。しかし、この部分がノイズだということをW COREを聞いて分かるようになりました。ノイズが音像周辺に広がり、歌手の声は濃く豪快なビッグマウスに歪曲され、濁りと歯擦音で耳が痛いほどです。
コントラバスと歌手の高さの差はCDよりは差があります。コントラバスは最初はやや小さく出て、低音は急に音像が大きくなり濁って膨らみます。音像の大きさはコントラバスより歌手の口がもっと大きく、まるで歌手の口の中にコントラバスが入っているようです。
W CORE
情報量の違いが明確です。ネットワークプレーヤーよりも、コントラバスとボーカルが小さくなって後退します。ノイズの無いしっかりとした音像です。クリーンになった背景に、コントラバスの音は実際の演奏のようにリアルで、澄んで深くてクリーンに沈みます。コントラバスの音像は下に降りていき、歌手の声は上がり、確実な高低差を見せてくれます。試聴会に参加した全ての方々がうなずきながら、ソース機器によって音像の高さの違いがある不思議に思います。歌が始まると、歌手の声の音像の大きさはコントラバスよりも明らかに小さく、正確な音です。
コントラバスの低音は濁っていません。低音部を演奏する時も膨らまず、下に清らかに降りながらコントラバスのアコースティックな音をそのまま出してくれます。ボーカルは粗がありません。ボーカルのエネルギーが感じられ、細分化され、口と胸声が正確に区分され、胸の奥深くで作り出すバイブレーションが正確に聞こえます。
JACINTHA / Moon River
W COREで最も劇的に変化した曲の一つです。これまで幾度も聴いてきたこの曲のヤシンタの声は、まるで笛の音を混ぜたかのように息を過度に出す歌手のような印象でした。しかし、W COREで聞いてみると、そのように過剰な息の混濁には聞こえません。
ヤシンタは、非常に細かい表現の歌い方をします。しかし、その声の表現も空気に混ざってかき消されてしまいがちでした。
濁りと空気漏れの音のみが強調されて聞こえるなら間違いです。澄んだ声で喉がはっきり見えるような優れた解像力で、声と胸声が完全に分離されて聞こえなければなりません。声の低い響きは深く降りなければなりません。
歌手の声をチェックする基準を説明します。
図のように、歌手の声と胸声がどのように聞こえるか、音楽を聞きながら想像して測定します。最も良いのは頭声と胸声、歌手の全身と前後の厚さまで3次元的に聞こえることが最も素晴らしいサウンドの基準と考えられます。
チェック:歌手のボイス(胸声)、音色、解像力
ネットワーク・プレイヤー
粗さが多少あります。音の粒子が大きく荒く表現されて音像の周囲がにじみます。やはりこのせいで解像力が良いように錯覚します。歌手の胸声は分離せず、大きな音像として描かれがちです。音の残響も歌手の荒れた息に含まれてしまい現れません。声は灰色のような声で一貫し、強弱の表現が良くありません。コンディションが悪く、歌唱力が落ちたように聞こえ、全体的なバランスが壊れます。歌はずっと呼吸だけ荒れるばかりで強弱がありません。
音楽的感性がなく喉だけで歌ってきれいなふりをするように聞こえます。オーディション番組なら脱落です。ピアノも強い打鍵でスタートします。鋭くて艶が無く緊張した音です。位置は把握できるがが、やはり倍音、余韻が生き生きと出てこず、断絶的に聞こえます。硬く少しいらつき感の混ざったピアノの音です。
一般的なパソコン/Roon
音の粒子が細かく多くなりました。音像は小さくなり、ネットワークプレーヤーのように誇張されず、むしろ痩せた感じです。低音域が下がるボーカルも少し惜しく、高域はかろうじて上がり、若干鼻にかかった声で音像は小さく、薄くなります。
しかし、解像力と安定したボーカルの呼吸が感じられます。全体的に落ち着いて淡泊になります。弱音が良くなり、強弱の表現が出てきます。しかし、歯擦音が鋭く刺激的です。ピアノも小さくなって消極的に演奏します。演奏にためらいが感じられます。高音では破裂音だけ作られ、中低音部のエネルギーを作り出せてません。
W CORE
背景が静寂と黒の背景という表現をします。W COREで聴くヤシンタのMoon Riverは、黒の背景の後ろに、実際には壁があり、その壁で反射する音があることを知らせてくれます。静寂さは単に静かというよりも演奏現場の空気をそのまま移したような雰囲気が感じられます。
ボーカルは繊細な表現で歌います。吐き出す呼吸音に音声が付きません。歌も胸の深い所で共鳴を作り出します。ボーカルは固くなく過度に鳴りません。胸声、バイブレーションと高音で頭声も感じられ、歌手が胸声と頭声と行き来しながら歌います。歌声もそのまま口に出すのではなく、頭声を使って頭頂部に上がってきます。呼吸、空気、胸声、頭声、バイブレーション、様々な歌手のスキルが表現されます。
ピアノは長い呼吸で演奏されます。一音一音丁寧に鍵盤をタッチします。明るく澄んだ倍音と反響音まで正確に出て、ピアニストの指と鍵盤の位置一つ一つまで見せてくれるようです。
W CORESMSキャロルキッドの「When I dream」など全てのボーカル曲で明確な違いを作り出し、歌手の歌、音楽の雰囲気をW COREは完全に変えてしまいます。
Une Lame/Rossini
非常に良く録音された曲です。非常に透明でエアリーな舞台の空間感がよく表現されている曲です。ピアノの倍音はとても自然に立ち上がり、透明感の中に歌が共存します。 チェロの弦は松脂を飛ばしながら、暖かく心地良いクッションのような倍音を作り出します。
ピアノ、チェロの倍音は壁で反射して聞こえる残響と分けて聞こえます。ピアノとチェロは、ピアニッシモとフォルテッシモを行き来しながら、非常に繊細に、時には非常に強力なダイナミクスを表現します。
チェック:ダイナミクス(マイクロ、マクロ)、サウンドステージ、背景、空間感覚
CD
ピアノが荘厳に演奏を開始するが、やはり音の透明度と歌が残念です。ピアノの倍音がよく伸びず、残響もピアノの基音に埋もれてしまい短く終わってしまいます。高音の終わりが研磨された感じで、強弱の変化もややのっぺりし、調整が悪くなったような貧弱な音が出る時もあります。
続いて出てくるチェロも、松脂を多く飛ばさず、ただ滑らかなだけです。チェロとピアノの間の空いた空間表現が不足します。音色も彩度が落ち、質感が十分でなく、ガタついて傷のような音だけが聞こえ、肉付きがなく痩せたボーイングです。フォルテッシモも力が入るだけで、ピアノ特有のダイナミクスを表現できてません。
ネットワークプレイヤー
ピアノが大きくなって開放感と解像力が上がります。残響が現れ、音の余韻も生きてきます。空気感も表現されてます。ピアノのフォルテッシモの演奏ではダイナミクスが高まって打鍵感を感じることができます。しかし、ピアニッシモの演奏表現力が不足し、全体的に音が大きくなってしまいます。
チェロも松脂が飛ぶように擦る音がよく表現され、倍音がある程度出ているが、ボディの響きまではよく出ません。ライブ演奏でチェロとピアノの距離感もある程度は作り出せてます。しかし、音の粒子が太く、継続的に押し出しが強いので、背景が汚く騒々しく、音楽のニュアンスを失ってしまいます。
W CORE
マイクロダイナミクス表現がうまくいき、音楽を聴いて歓喜を感じるようになります。マイクロダイナミクスが絶妙に表現され音楽が始まります。ノイズが消えた背景は黒く暗いです。ピアノがまるでゆっくりと演奏されているかのように音の末尾が長くなります。
ピアノの導入部で、途中の無音部が存在することが改めて感じられて、無音部から張り詰めた緊張感を感じるようになります。ピアノの鍵盤を一つだけ押しただけでも倍音が生き返り、美しいハーモニックスを生み出します。一音一音極めて正確かつ詳細な強弱の調節をしながら演奏をします。そしてフォルテッシモの演奏では強力な打撃音でピアノの巨大なボディを明らかにします。
しばらくの間の無音部が過ぎた後、チェロが演奏を始めます。ピアノとチェロの間の空間が存在します。おぼろげで慎重に開始するチェロの旋律は弱くとも豊かな倍音を現し、小さな粒の松脂を空間に散らします。ピアニッシモはより小さく現れ、フォルテッシモは強力で断固としています。
Tutti/Dance of the Tumblers
あまりにも有名な曲です。大編成でダイナミクスをテストする曲です。この曲では、マクロダイナミクスも重要だが、マイクロダイナミクスも重要です。サウンドステージの大きさと、オーケストラの様々な楽器の音色(Timbre)がよく表現されます。サウンドステージの大きさも重要だが、大きさばかりで薄くなる危険性がある曲です。薄く細くなってはならず、密度を持ってステージをいっぱい満たしてくれなければなりません。
チェック:ダイナミックレンジ、サウンドステージ、帯域バランス、音色、密度
CD
音のつなぎ目が良く質感表現されます。しかし、ネットワークプレーヤーやW COREと比べるとサウンドステージの大きさは表現されず、ひとかたまりになって出てくる感じです。演奏者たちがとてもぎっしりと座って演奏します。サウンドステージの上の空間が消えて(楽器の倍音が消えてしまいます)下の空間も低音部が満たされません。
楽器の音が塊って、弦楽器、管楽器、木管楽器それぞれの質感表現が良くありません。弦の質感は悪くないが、管楽器の輝きが不足して、木管楽器の透明さも惜しいです。タンバリンやトライアングルの音は他の楽器の音に埋もれて存在感がありません。
ネットワーク・プレイヤー
舞台が大きくなって豪放なサウンドが演出されます。非常に豪放に演奏され、この曲ではCDを圧倒します。楽器の分離もよくなります。演奏者たちがより広いスペースに座って演奏します。管楽器の輝きは良いが、比較的弦楽器は細くなって質感は固くなってしまいました。
高域の直進性が良く、低域の転換やティンパニの強力な打撃音も良いです。しかし、トゥッティでやや騒々しく整理されず、硬質の破裂音が出ます。
W CORE
後方のサウンドステージが明確になります。3次元の舞台に階層が作られます。瞬間的なダイナミクスとスピードが優れ、聞こえなかった楽器の音が存在を明らかにします。バイオリンの質感、管楽器の輝き、木管楽器の透明感など、各楽器の音色(Timbre)が表現されます。
サウンドステージの上の空間は倍音で、下の空間は低音のエネルギーで拡張されます。タンバリン、トライアングルの音は輝くように現れ自分の位置を示します。弦楽器のピチカート演奏もすばやく良く聞こえます。
paavo jarvi / ベートーヴェン交響曲第7回2楽章
この曲はCDで聞くには多少面白みのない音楽です。この曲は、何よりもマイクロダイナミックスの能力が非常に重要です。40人にも満たない小規模のオーケストラで交響楽のダイナミックレンジを作り出すため、パーヴォヤルヴィは極限のピアニッシモ演奏をします。
とても小さく演奏される叙情的なこの曲は、マイクロダイナミクスが表現されなければ何のインスピレーションも起きません。その小さな音で解像力を失ってはならず、さらに各楽器の音色、質感表現がなければならず、最終的にはとても繊細で、小さな演奏音でも空間の広がりと空気感が作られなければならないということです。
CD
絵で言えば油絵です。楽器それぞれの音の表現ではなく、オーケストラ全体的な輪郭で音楽を聞かせます。マイクロダイナミクスがほとんどなく、空間感覚、粒子感もないが、それでも非常に良い演奏で楽しく音楽鑑賞をすることができます。
ネットワーク・プレイヤー
解像力が良く、個々の楽器音が出始めます。楽器の音色はよく分離されて聞こえるが、質感がやや惜しく、全体のパーツが調和せず、いくつかの音が分かれて飛び出したりします。何も考えずにオーケストラ団員が指揮者に従って機械的に演奏する感じです。
音色と空間感もある程度あるが、楽器の質感が現れず、楽器の音色が単調で極めて平面的です。多少退屈な演奏です。
W CORE
最も大きな違いは空気感、低域、サウンドステージです。CDが大きな筆で描いた油絵なら、W COREは精巧に描いた静物画です。非常に細かな音の粒子で作られる楽器の音たちが集まってオーケストラ全体を作り出します。そしてその楽器の音色の周りに音場が作り出されます。
ネットワークプレーヤーでは、晴れた日の夜空の星の光のように輝きながら楽器の存在を示すマイクロダイナミクスであり、W COREは星空の後ろにかすかに広がる天の川まで見せてくれると比喩できます。楽器が倍音が作り出すエアリー感とサウンドステージの上部が満ちて広がってハーモニーを生み出します。また、弱音部でもコントラバス低音部はその存在を現してサウンドステージの上下が作られます。
8分を越えるこの曲を、時間の関係上途中で止めると、試聴会に出席してくださった方が最後まで聞きたいという要望がでるほど、W COREが聞かせてくれるこの曲の音楽的インスピレーションは素晴らしいものでした。