Waversa Systems Japan

ウェーバーサシステムズ

3月 2018アーカイブ

オーディオと音楽と倍音

HiFi Clubのコラムを翻訳掲載

「オーディオ仕様の虚像」を書こうとしたが、順番を少し変更して「倍音(Harmonic Overtone)」について先に説明します。
T.H.D(全高調歪率)、SN比、周波数帯域(Frequency Range)など、数字で表現されるオーディオのスペックの大半を迷宮に落とし込んでいるのが、まさに「倍音」だからです。

ウィキペディアの倍音の説明を見てみましょう。

倍音とは、楽音の音高とされる周波数に対し、2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分。1倍の音、すなわち楽音の音高とされる成分を基音と呼ぶ。
弦楽器や管楽器などの音を正弦波(サインウェーブ)成分の集合に分解すると、元の音と同じ高さの波の他に、その倍音が多数(理論的には無限個)現れる。

少し難しい説明です。簡単に言えば、「全ての音は2次、3次、4次…などの倍音が発生する」と考えればいいです。全ての音は倍音を持っており、人の声はもちろん、全ての楽器も固有の倍音を持っています。 ピアノの例では、ピアノは複合倍音楽器です。ピアノのハンマーが弦を叩いて出る音を基音として、その後に発生する音を倍音と言います。下図は、ピアノの低いド(C2)で発生する倍音です。

[ド]の鍵盤を1つ叩くだけでも、これだけ多くの倍音が発生することになります。このように倍音は音楽における最も根本であり、非常に重要なものです。この倍音で私たちが聴く「音色」が作られます。ピアノとバイオリンの音が区別されるのは「倍音」によって作られた「音色(Timbre)」と波形のためです。同じピアノでも、スタインウェイ、ベーゼンドルフ、ヤマハの倍音構造のために、ピアノの音色が微妙に違うように聞こえるのです。

この「倍音」が音楽とオーディオの全てを掌握していると言っても過言ではありません。オーディオでポップ音楽を中心に聞くならば、この倍音はそれほど問題にならない場合もあります。しかし、クラシック音楽を聞くと、この倍音が非常に重要な要素になります。クラシックの楽器(アコースティック楽器)は全て固有の倍音を持っており、この倍音を利用して和音を構成し演奏されるためです。

下図をご覧ください。楽器別の基音と倍音の周波数帯域です。

黒い部分が楽器の基音で、黄色い部分が倍音領域です。倍音領域が短いほど澄んだ音が出て、倍音が多いほど豊かな音色の音がします。楽器ごとの基音と倍音の組み合わせで各楽器固有の音色が鳴り、私たちは美しいハーモニーの音楽を聴きます。

オーディオ機器によって倍音も異なり、音も違う

楽器が倍音によって変わるように、オーディオも機器ごとに異なった音を出します。なぜならば楽器だけが倍音を出すのではなく、オーディオ機器もそれぞれに倍音を作り出すからです。真空管やTRの増幅素子は固有の倍音特性で増幅します。スピーカーもユニットの材質やエンクロージャーの構造によって倍音を作り出します。さらにリスニングルームも倍音を作り出します。

このような倍音が音楽とオーディオに関与する部分は非常に広範囲で、全てと言っても過言ではありません。アンプの倍音特性のために真空管アンプの音色が温かく聞こえるのであり、TRアンプが冷たく聞こえる理由です。いわゆるブリティッシュサウンドとして英国のスピーカーがチェロなど弦楽器の音が温かく明るく出るように作り出すのもスピーカーの倍音特性が加味されたためです。

倍音が多ければ良いという訳でもありません。不必要で過剰な倍音は、オーディオの音のスピードを落とす場合があります。真空管アンプがスピードが遅く、倍音が少ないTRアンプのスピードが速く聞こえる理由でもあります。倍音情報が生きているSN比70dBに過ぎないLPがmSN比110dBを誇るCDに比べて、さらに自然て豊かな(Rich)良い音を聞かせる理由です。

基本的な音色、ダイナミクス、スピード、周波数帯域、サウンドステージなど、様々なところで倍音が重要なキーポイントを握っています。「明るい、暗い、早い、遅い、シルキーな、乾燥した、鋭い、柔らか、息苦しい、開放的、精密、断片的、厚い、薄い、エアリー、密閉的」など、ほとんどの楽器やオーディオの音の評価単語は倍音によって変化するためです。

倍音の追加と削除と歪み

この倍音を完全にありのままを再生するオーディオがあれば最高です。しかし、まだ残念ながらそのように完全なオーディオは存在しません。倍音は非常に微細な信号だからです。基音を1に見ると、2次倍音は約1/81、基音に比べて約0.012%のエネルギーを持ち、4次倍音では1/625(0.0016%)と極めて小さいエネルギーになります(倍音の物理学参照http://fluorf.net/xe/my_words/3833)。

このように倍音はオーディオでは非常に微細な信号です。この微弱な信号はエネルギーが小さすぎて、簡単に消滅したり、歪曲されてしまいます。この倍音エネルギーが生存できるかどうかがオーディオで重要であり、最終的には良いオーディオの条件は、何次の倍音まで再生できるかの能力になります。そのため、レコーディング過程、記録装置の精度、アンプの増幅素子、ノイズ、リスニング環境などによって損失し歪曲されてしまいます。この倍音をいかに損失無く歪ませず再生するかがカギです。

倍音の歪み、追加、削除

分かりやすく上図を描ました。通常の倍音はオーディオの信号の増幅をし、図のように歪み、追加、削除が発生します。ノイズなどによって「倍音の歪み」が発生する可能性があり、CDやMP3の問題は「倍音が無くなる」という問題になり、アンプの増幅などで、元々は無かった「倍音の追加」が起きる場合があります。全てのオーディオシステムで、このように1つではない問題が「歪曲」、「追加」、「削除」が複合的に発生していると考えられます。

オーディオシステムと倍音

オーディオシステムで倍音が問題になる部分を段階別に考えてみましょう。大きく、ソース、アンプ、スピーカー、ケーブル、アクセサリー、そしてリスニングルームと、倍音は変化し、全ての部分で問題になる恐れがあります。アンプのT.H.Dが0.01%というのは0.01%より小さな信号の倍音情報は歪曲されるということです。(これについてもオーディオ仕様の虚像-T.H.D編で説明する予定です)
スピーカーの2次倍音がもともと音楽になかった豊富なハーモニーを作り出し、強力なインパクトのドラムの音を緩くしてしまうことがあります。

音源のソース(LP、テープ、CD、MP3など)はレコーディングで記録された倍音情報をどれだけ正確に多量の情報を保持しているかがカギです。もとより、最も多くの倍音情報をそのまま保存しているのはレコーディング元のマスターテープのはずで、一般の人たちが接することのできる媒体の中ではLPが最も多い倍音情報を持っています。

ソース機器がソースの倍音情報をいかにそのまま再生するかがカギです。CDやネットワークプレーヤーとノイズに起因する倍音情報の削除や歪みについて調べてみましょう。

CDとネットワークプレーヤーのノイズ除去での音質比較

CDと、ノイズを除去したネットワークプレーヤーの音質を比較してみます。音質的に高周波ノイズを除去したNetwork Playerの音質がはるかに良いです。音質の違いを文章で聞いてもらう事はできませんので、スマートフォンアプリを使って簡易的にスペクトルグラフを作りました。精密な録音機器ではなくスマートフォンで測定しても、明確な違いが分かります。機会があれば精密測定機器を使って、もう一度倍音を測定してみます。

CDとネットワークプレーヤー(ノイズ除去)の音質の差スペクトル分析。
CDの方が確実に情報量が不足している事が確認できます。

ロッシーニの涙の導入部分を録音して測定したものです。上図のスペクトルを見ると、明らかにCDの情報が不足しているのが分かります。音質的にもCDが倍音情報が少ないことが明らかです。スペクトルからもCDはノイズを除去したNetwork Playerと比べて、確実に情報量が少ないことが分かり、基音部分のデータもかなり違いますが、倍音部分の情報が格段に減っているのが見て分かります。上部の青い部分は倍音と残響やアンビエンスがある部分です。その部分の情報量のもかなり違います。CDは現場感が落ちる理由です。

もう1つのグラフでも比較してみます。ノイズのないNetwork Player(Roon)と、一般的なNetwork Player(DLNA)プレーヤーです。音質的に一般的なDLNA方式のNetwork PlayerはNASやルーター、ハブで発生したノイズによって基音が薄くなり、倍音部分が歪曲され、非常に固く鋭い音になります。その部分を同一条件で測定してみました。

Network Playerのノイズの有無に変わる音のスペクトル分析データ。
ノイズによって倍音領域が変わることが確認できます。

ノイズを除去したNetwork Playerよりも情報量が多く見えるが、これは実際の楽器の倍音ではなく、高周波ノイズであることが音質で確認できます。特に中高音部の倍音部分がネットワークプレーヤーでは特に強い音があり、その部分がノイズによって歪む部分だと考えられます。それでネットワークプレーヤーではマイクロダイナミックスがよく表現されず、それによって音楽の詳細な高低、強弱の表現がされず、フラットでシャープになるようです。

CD Playerの省略、ネットワークプレーヤーの歪み

確認してみると、16bit/44.1kHzのフォーマットはさほど問題ではありません。CDトランスポート側の方が問題です。同じ音源をネットワークプレーヤー(ハードディスク)で再生してみると、確かに解像力や倍音情報がたくさんあります。しかしネットワークプレーヤーは、コンピューターやネットワーク機器の高周波ノイズによって倍音情報が歪んでしまいます。つまりCDは倍音情報を失ってしまい、ネットワークプレーヤーは倍音情報を歪曲させてしまうという結論になります。ネットワーク上のノイズを除去すれば、倍音情報などは消えず、正確な信号が入るということがスペクトルグラフから分かります。

ノイズを除去したネットワークプレーヤーがデジタルソースのフォーマットとしては最も正確な倍音情報を再生してくれ、最も優れた音質を聞かせるという結論に達しました。これに基づいて比較して、CDの倍音の省略と、既存のネットワークプレーヤーの倍音歪みを把握できました。

リスニングルーム

リスニングルームや録音場所も非常に重要です。BBCで放送されたドキュメンタリーを見ると、中世に建てられた聖堂では音楽の基本的な音程から計算されて建築されています。信徒席の縦横の柱の間隔=2:1、祭壇:信徒席=8:5(長6度)や3:2(完全5度)、4:(完全4度)、5:4(短3度)の音楽音程比でによって大聖堂を建築しました。おそらくはこの聖堂で聴くコーラスは本当に美しい音がすることでしょう。

3部作構成のBBCドキュメンタリーをNetflixで「CODE」と検索できます。
数学的に音楽の原理を説明し、倍音と騒音を区別するなど、この世界の全ての理を「数学」で解明するとても面白く有益なプログラムです。

更なる倍音の要素

その他にも、オーディオの倍音は様々な条件や要素との戦いです。スピーカーウーファーの逆起電力がツイーターに伝わると、倍音情報は歪曲されたり消えてしまうこともあるでしょう。パワーアンプ大容量トランスフォーマーの振動が非常に小さい信号を処理するプリアンプ回路に伝わり、微細な倍音情報を歪曲させてしまうことがあります。ソース機器のモーターで発生したノイズやコンピューターノイズによって倍音情報は損失し歪曲され、音は硬く荒れた平坦になってしまいます。

良い音質のために様々なオーディオチューニングを行います。電気ノイズを除去するために、シールドトランスを使い、オーディオラックとアンプ台を変え、ケーブル、電源コード、ルームチューニング材、スパイク台など、様々なチューニングを試みます。何を変えてもオーディオの音は変わります。サウンドが柔らかくなったり、クリアーになったり、中域が分厚くなったり、低域が固くなったり、多様に変化します。これも倍音領域の部分が変化するためです。振動を抑制して揺れた高域が向上するのは、基音が変わらなくても、消えたり歪曲された倍音付加が正しく出て音が豊かに自然になるためです。

オーディオの仕様を盲信し、メーカーなどが提示するスペックが良いオーディオ機器が良いと鵜呑みにするのは非常に危険です。それなら人間の可聴周波数帯域外の無駄な音を無くし、ファイル容量を大幅に減らしたMP3でもクラシック音楽の実演の感動をそのまま感じられなければなりません。しかしMP3にはクラシック音楽の倍音情報の大半が失われています。相対的にエネルギーが大きい倍音の一部分のみが入っているだけで、無限大の次数で発生する倍音情報はほとんど入ってないと考えられます。そのためMP3で聴くクラシック音楽は単純でつまらない音楽になってしまいます。

倍音、残響、アンビエンス、そしてマイクロダイナミクス

倍音、残響、アンビエンス、マイクロダイナミクスなどは、音楽に存在する非常に重要な要素であり、特にクラシック音楽では音楽的ニュアンスを活かす中心です。倍音は楽器で発生する音であり、残響は壁で反射される反射音であり、アンビエンスは私たちが会場で感じる雰囲気です。

この要素の共通点は、極めて小さな信号だということです。しかし他にもあります。倍音は演奏時に発生する音とレコーディング時にのみ録音される音であり、残響とアンビエンスはミキシング、マスタリングで追加できるという違いがあると言えるでしょう。さらにアンビエンスはAVプロセッサーにある音場モードなどで追加もできます。公演ライブ映像(DVDやブルーレイ)を見ると、CDよりも多く響きがあるように聞こえます。臨場感を増すためにリバーブ(残響効果)とアンビエンス効果を追加したからでしょう。しかしこれは実際の楽器の倍音とは関係の無い、ただディレイタイムの残響効果を加工しただけです。

このように倍音はハイファイオーディオと音楽に非常に重要な要素であり、この倍音の再生がどうかがオーディオサウンドで最も重要です。純粋な原音再生を目指すハイファイオーディオでは、レコーディング現場でそのまま録音された音楽の音と倍音、残響などがそのまま保存されて再現されなければなりません。 単に音色、好みだけでオーディオの音を評価するよりも、倍音の原理と役割を知って消滅や歪曲の無い、ありのままの倍音再生が完成度の高いサウンドを作り上げることができるキーファクターであると言えるでしょう。

WSmartHubとLANケーブル

WSmartHubとLANケーブル(WaversaSystemsのコラムを翻訳掲載)

WSmartHubの音質向上についてのご質問が多いですが、国内外でのユーザーの方々や販売状況から、実際にお使いいただいて効果が高いと判断できます。
WSmartHubとは何なのか、どのような原理でどのような効果があるのかを説明します。

分かりやすい図を用意しました。

全ての高速通信は、この入力信号のようにノイズが発生する事を前提に、その上で、正しく動作するように設計します。
ノイズがあると通信できなかったり、接続が切れたりすると良い製品とは言えず、より低価格に作る事ができないとしても、ノイズがあっても通信が可能なように設計します。

入力信号の波形が目のようなので、目の波形「Eye Diagram」と言われ、人の目と比べて瞳以外の部分が例え全てノイズであっても通信は良好に行われます。

ところがオーディオでは、この様なノイズが致命的な問題になります。

WSmartHubはこれらのアイダイヤグラム上の情報を抽出して、右上の図のようなきれいでジッターの無い信号を生成します。
ここで1つ問題が発生します。波形の角、エッジが鋭いという事です。このエッジもノイズを誘発し、高域が騒々しく聞こえる原因になる場合があります。

このエッジは、LANケーブルで対処できる場合があり、それはWaversaSystemsで長期間のテストと研究を行った結果、1.5メートルのLANケーブルを使った場合に、下の図のようにエッジが滑らかになり、ノイズが誘発されなくなります。

もちろんケーブルが更に長い方がエッジは更に滑らかになるが、問題はジッターがまた増えてしまう事です。
したがって、2メートル以上だとエッジはかなりソフトになり、ジッターの発生で音が劣化する可能性も高くなります。

WaversaSystemsのWLANケーブルは、これらの点に基づいて開発されたケーブルです。

デジタル設定の楽しみ/Roon DSPヘッドフォン編

HiFi Clubのコラムを翻訳掲載

RoonのDSPについて簡単に調べてみました。
アナログセッティングと比較できるほど多くの設定で音質変化を楽しめる機能です。今回はヘッドフォンユーザー向けのDSP機能を探ります。

ヘッドフォン固有の問題に対処するParametric EQ

Parametric EQは、私たちが知っているイコライザーと同一の機能ですが、違いを挙げるならアナログ段でイコライザーを使うのではなく、デジタル部でイコライザーを適用してDACに送ります。そのおかげでアナログEQで発生するディレイ現象や位相が変わって「音質が劣化する問題」が全く発生せず、より効果的に活用できます。更に、Roonに内蔵されたParametric EQは専門家向けに市販されているイコライザープログラムと同レベルのバンドと専門家向けのモードも対応しており、細かい調整をしたい上級ユーザーにもかなり有用です。

このようなParametric EQは、ヘッドファイユーザに更に便利です。スピーカーは周囲の環境によって周波数特性曲線が異なるため適用範囲が限定されており、ヘッドフォンやイヤフォンは周囲の環境の影響が少ないため、様々な測定サイトで提供するデータを活用してヘッドフォン/イヤフォン応答で聴感問題となりうるディップとピークを緩和できます。

図のセット値は、有名なヘッドフォン測定会社から提供された周波数特性を基に製作したEQグラフです。ただし、このEQの適用値は特定の場所で測定されたデータで、使用者の耳の形状や装着方法による変化が考慮されていないデータです。したがって使用者の好みによって調整するのがもっと良いはずです。

Parametric EQセット方法

Frequencyは変更したい周波数と、Gainを調節する周波数の音量です。追加で適用するのがQ値です。Q値は周波数特性を変化させ、どの程度の周波数帯域に変化させるかかを指定し、Qが大きいと狭い帯域での変化で、小さいと広い帯域で変化させます。この3項目を使って、自然なEQセットを作ります。

[Sennheiser HD800グラフ]

[AKG K701グラフ]

[Beyerdynamic T1グラフ]

ヘッドフォンの構造限界を克服するCrossfeed

ヘッドフォンがスピーカーシステムに比べて最も劣悪な部分が’空間感’です。一般的な音楽はステレオスピーカーで聞くように作られるが、ヘッドフォンの場合、左右に正確に分離されて、空間の広がりを認識するのに問題が発生します。特に人間の脳は、両耳に到達する音の時間差によって方向を知覚して音像を確認します。しかし、ヘッドフォンの場合、このような時間差が無い構造なので、音像が自然と頭の中、額の上に認知されます。このような理由でヘッドフォンではサウンドエンジニアが意図する完璧な空間感を備えた音楽を鑑賞できません。

このような問題を克服しようと、ヘッドフォンメーカーは、方向感の代わりにユニット自体で特定の音域帯を増幅したり減衰させて音場を拡張させたり、ハウジングの共振特性を利用して拡散感と残響感を任意に生成させます。オープン型ヘッドフォンのハウジング設計がこのようなヘッドフォンの限界を克服する代表的な方法です。

▲クロスフィードで有名なSPLヘッドフォンアンプ

この方式が物理的な方法で構造限界を克服し、Crossfeedは人間の耳の特性を利用してフィルターを使ってヘッドフォンに自然な空間感を作り出す技術です。Crossfeedは人間の認知能力と物理特性とも密接な関連があり、複雑な内容だが簡単に基本原理を説明すると、両チャンネルに2kHz以下の帯域を300us程度の時間差をおいて互いに交差させ、頭の上に結ばれる音像を仮想的に前方へ移動させて空間の広がりを生み出します。つまり、人間が認知する方法を巧みに利用して、仮想のイメージを作り出す方法です。これらの種類のフィルターはいくつかの会社が研究しており、多くのやり方が存在するが、代表的にChu Moy’sとJan Meier’sクロスフィルターが有名です。両方式は音楽の好みのようにグラフと数値では表現することが難しく、自分の好みに合ったフィルターを選択するのが良いです。またクロスフィードは使い始めから効果があるが、数日続けて使うと、耳がヘッドフォンからの空間情報信号に慣れてきて更に自然に感じられます。したがって、クロスフィード(crossfeed)効果は、ヘッドフォンの長時間リスニングで、より効果的です。

Audezeヘッドホン専用プリセット

Audeze製ヘッドフォンのための専用プリセットメニューです。Audeze社のヘッドフォンごとの短所を最大限補完して最上の音質を作ってくれるので、ユーザーなら一度は試さなければならない機能です。

未来を作っていくRoon DSP

RoonのDSP機能は常にアップグレードしています。更新プログラムでどんなDSPが追加されるか期待を集めています。ヘッドフォンユーザの立場から期待されるDSPは現在AUDEZEだけにあるプリセットが、いくつかのブランドが追加される予定で(すでに論議中だそうです)、クロスフィードよりも発展したHRTFをシミュレートした立体音響DSPが追加されれば、ヘッドフォンユーザーにとって非常に喜ぶべき内容です。

「LP、CD、ネットワークプレーヤー、Roon Nucleus音質比較」HiFi Club試聴会

HiFi Clubのコラムを翻訳掲載

今回の試聴会はソース機器の音質を比較してみました。
LP(ターンテーブル)、CD、ネットワークプレーヤー、Roonを同じ音源で聞いてみて、各ソース別に音質の長所と短所を比較分析し、関心の多いテーマで多くの参加者が集まり、熱を帯びた比較試聴の時間となりました。

まず、試演製品をまとめてみます。

アナログシステム(価格帯:135万円)
  • LP Player:Well Tempered Lab Amadeus MKII
  • Phono Amp:Waversa W PHONO3
  • Phono Cable:Hemingway Creation Phono Cable
  • XLR Cable:Hemingway Creation Ultimate S XLR
  • Power Cord:Hemingway Creation Ultimate S Power Cable
CD Player(価格帯:360万円)
  • CD Player:Chord Red Reference mk-II
  • XLR Cable:Hemingway Creation Ultimate XLR
  • Power Cord:Hemingway Creation Ultimate S Power Cable
Network Player(価格帯:1千万円)
  • DAC:dCS Vivaldi Clock、Upsampler、DACシステム
  • NAS:Waversa W NAS3
  • Hub:Waversa W Smarthub
  • LAN Cable:Waversa W LAN Cable
  • Digital Cable:Kimber KS-2120 Dual AES/EBU、Kimber illumination BNC Cable
  • XLR Cable:Hemingway The Creation Advanced XLR
  • Power Cord:Hemingway Creation Ultimate x 2EA、Tchernov Utimate
Roon Nucleus(価格帯:25万円+Network Player)
  • Roon:ROON Nucleus
  • Hub:Waversa W Smarthub
  • DAC:dCS Vivaldi Clock、Upsampler、DACシステム
  • NAS、LAN Cable、Digital Cable、XLR Cable、Power Cord:Network Playerと同じ

試聴のためにアンプは、Dan D’Agostino Momentum PreamplifierとDan D’Agostino Momentum M400 monoblock Power Amplifierを使い、スピーカーはAvantgarde Acoustic Trio Classico XD Speaker With Basshornを使いました。電源はISOTEK Super Titanの電源機器を使用し、ケーブルはヘミングウェイクリエーションSシリーズとチェルノフケーブルを使いました。

Dan D’Agostino Momentum Preamplifier

Dan D’Agostino Momentum M400 monoblock Power Amplifier

ISOTEK Super Titan

Avantgarde Acoustic Trio Classico XD Speaker With Basshorn

比較試聴曲

  • A lover in Berlin-Kari Bremnes
  • Beethoven Symphony No.7 2楽章-Paavo Jervi

多くの方々が参加してくださった今回の試聴会は、非常に興味深い比較で、参加者の強い関心で今までに無い熱気の中で行われました。試聴会を二日間行い、参加者の方々に最も良かった音を評価してほしいとお願いし、その結果は次のとおりです。

事前調査

まず、参加者の方々に、LP、CD、Network Playerの使用状況を伺い、好きな音の傾向を把握しました。手を挙げてもらって集計しました。

比較

Aがいい

Bがいい

備考

1

A:LP vs B:CD

13

3

 

2

A:CD vs B:Network Player

16

1

 

LPとCDの音を好む方が多く、ジャンルによってはCDが良いという意見もありました。しかしNetwork PlayerとCDの音質比較を行うと、多くの方がCDの音が良いと評価しました。

LP vs CD

今回の試聴曲と機器で比較試聴した結果です。

比較

Aがいい

Bがいい

備考

1

A:LP vs B:CD

28

0

 

2

A:CD vs B:Network Player

22

0

 

3

A:Network Player vs B:Nucleus

7

11

 

4

A:Network Player vs B:Nucleus(with W Smarthub)

0

43

 

5

A:CD vs B:Nucleus(with W Smarthub)

0

43

 

この結果を説明すると、今回の試聴会での音質比較は全ての面でLPが一番優れており、デジタル真剣勝負ではRoon Nucleus+WSmartHubのセットがずば抜けて良かったです。試聴参加者のほとんどの方が、家で聞くCDがNetwork Playerよりも音質がいいと言っていました。しかし、今回の試聴会でRoon Nucleus+WSmartHubの組み合わせはCDを圧倒する高音質で、LPに近い解像力とサウンドステージ、自然な音場で優れた音質を聞かせました。

WSmartHubが無い状態での比較を3回行い、一般のNetwork PlayerとNucleusの音質比較は好みで評価が分かれました。重要なのはコンピューターネットワーク機器で発生する高周波ノイズを無くすWSmartHubが再評価されたということです。特にWSmartHub一般のネットプレーヤーでもRoonで優れた音質の改善をもたらすことが、今回の試聴会によって分かった事でした。

比較試聴方法

音質を客観的に評価するのは非常に難しいです。例えば、解像度の良し悪しを果たして評価できるでしょうか。個人の好みや基準の要素が強いオーディオの趣味の特性上、解像度の基準や観点が異なるため、解像度を数値化したり、どのような基準をもって評価するのか困難です。

そのため、今回の試聴会は相対的な比較ではなく、絶対的な評価のために、客観的データを作って基準を決めました。 その基準は、サウンドステージの再現能力です。サウンドステージのサイズと、特に高さを表現する能力を評価し、音像と音像の間の空間と3次元の立体的なイメージを描く能力です。これは好みによらず、オーディオ再生能力を評価できる絶対的基準であるからです。

分かりやすいように、写真にサウンドステージを作り出す現象を書き足してみました。

CD Player

サウンドステージ表現能力で評価すると、LPとCDの違いは明らかです。
サウンドステージの高さは中央部に長く広がり、ベースが底に沈みません。声と楽器の間の境界もあいまいで、隙間のスペースも表現されません。音色の違いも不鮮明で、やや厚めのザラザラしたサウンドです。まるでDVD映像のように原色の鮮やかで華やかな音色が出ず、色あせた表現で音色のコントラストが不明瞭です。

全体のサウンドステージは相対的に小さいが、ボーカルの音像は大きく、若干のビッグマウス現象になります。全体的にブラー(Blur)処理された感じの音像で立体的な感じはなく、狭帯域の感じと2次元的で平坦な壁面に描かれたようなサウンドステージが作られます。

LP Player

サウンドステージは深く広がります。広大な舞台の上に音楽を構成する音と音像が3次元的に作られます。特にサウンドステージの高さが格段に違います。CDと比べて、ベースは下へ沈み、ボーカルは上に上がり魔法のような変化が現れます。このようなサウンドステージの高さ(上下の表現)の表現はハイエンドとミッドハイの能力を表す尺度です。

LPではどっしりとしたベースがサウンドステージの下端をしっかりと支えてくれます。低いベースは低く転がりながら深く沈み、低域の木目をクリアーに表現してくれます。サウンドステージは広く深まり、ボーカルやドラムスの音像はより小さくなり、正確な音色で音楽の多彩な色を華やかに表現します。後ろの壁の空間は細かい音の粒子でエアリーに満たされ、音楽的完成度を上げてくれます。

Network Player

解像度はCDより高いが、全体的に荒れて、高域が不自然なほど鋭いです。音楽の旋律が消え、全体的に荒れて音の強弱、高低が表現されず、刺激的な音が出ます。このためNetwork PlayerがCDよりも良くなく、あまり聞かなかいという評価があります。CDは解像力では劣っていても音楽的に勝るためです。

Roon Nucleus+WSmartHub

LPに最も近いサウンドが出ます。
LPに比べるとステージは若干狭く、音色の華やかさもやや減ったものの、知らずに聞いたらLPと区別できないほどの僅かな音の差です。サウンドステージの構成もLPと同様で、下を支える低域、鮮明に浮かび上がっるボーカル、明確に対比される音色、後ろから輝くように演奏されるドラムのスネアまで完璧に表現しています。

LPが10点とすれば、5~6点台に過ぎないCDとNetwork Playerと比べて、Roon Nucleus+WSmartHubの組み合わせは9~9.5点と高く評価できます。この比較は試聴会の参加者全ての方々が評価で、この評価結果に納得していただいた結果です。

Kari bremnes-A lover in Berlin

LP

広く展開する広大なサウンドステージに、楽器の音像が色鮮やかで、音色が華やかに描かれます。ベースは下に沈みボーカルは浮かび上がります。パーカッションの打撃音が鮮明に出て、スネアオの音は輝きまで感じられます。

CD

サウンドステージの構成力と楽器の間の空間など、表現力で見ると、CDがLPには太刀打ちできないということが明確に理解できました。今までにもCDとLPを比較する試聴会が多く開催されましたが、もうこれ以上CDとLPの音質比較は無意味だと明確に証明してくれます。

客観的にアプローチしてみれば、ベースの位置など全ての音像が中間に帯のように連なってしまいます。LPに比べて上方の空間と下の空間が無くなってしまいます。サウンドステージの上下が表現されていないということです。

Roon Necleus+WSmartHub

結論から言うと、LP以降、真のハイエンドオーディオフォーマットが登場したという話に間違いは無いと証明されます。
CD以外にファイルやネットワークプレーヤーは全て利便性に依存したもので、音質面では高く評価することが難しかったが、Roonによって多くの面で意味のあるデジタルオーディオフォーマットを提示した言えます。

ハードウェア的にRoonを説明すれば、Roon CoreがNASとDACの間で交通整理をするという事です。
ネットワーク的側面から、RATTという新しいプロトコルを使用していて、これまでのネットワーク環境はパケット単位でデータを伝送するために時間の流れが重要なオーディオでは適したフォーマットではありませんでした。
ところがRATTは連続的でありながら、1:1で行われるデータ通信方式なので、時間の連続性が重要な要素となるオーディオ機器では、はるかに優れた方法です。

もう一つの大きな違いは、音源にはFLAC、WAVなど様々なフォーマットがあるが、従来のDLNAシステムではファイルのままDACに入ります。その後、DACが入力された音源をPCMに変換してアナログ信号を作り出ります。したがってDACに負荷が多くかかるが、RoonシステムではRoon Coreが、音源をPCMに変換し、DACにRawフォーマットを伝送するため、連続的でありながら少ない負荷でDAC本来の仕事ができるように助けます。

しかし、一般のパソコンやネットワークを利用する最も大きな問題は、ファイルのストリームで必要なコンピューターとネットワーク機器(ハブ、ルーター)、マザーボードの高周波ノイズが音質に多大な悪影響を及ぼすということです。
高周波ノイズを除去するためのWSmartHubは、この機器こそがメインと言っても間違いでは無いほどドラマチックな音質改善をもたらし、Roonとのマッチングでも、一般のネットプレーヤーより、優れた音質的改善をもたらす事が、今回の試聴会で分かりました。

今までこれほど良いデジタル音質を披露したことはなく、今回の試聴会で再生された音は全世界で現在ではまだHiFi Clubでのみ聴ける唯一の音です。なぜなら世界的にWSmartHubのような機器を持つ場所は他に無いからです。
※訳注:日本でもオリオスペックさんで試聴展示中です

再確認

ここで再びCDを聴いてみると、とても息苦しくサウンドステージが全く表現されていないと誰もが感じました。
もしコードレッドリファレンスのDACが良くないせいかと疑問もあるために、コードレッドリファレンスをトランスポートにして、ビバルディDACセットに接続して聴いてみました。このような実験をする場合、20万円クラスのネットワークプレーヤーと、当代最高のCDPとして認められた製品と1:1の比較ができる機会なので、多くの方が関心を持って試聴しました。

ビバルディDACセットによる音質は。コードレッドレファレンス単独の時よりは確実によくなるが、客観的な要素であるステージと楽器間の空間がよく表現されず、Roon Nucleusよりも良くない結果でした。このような音質的限界は、CDのメカニズムの構造的限界を示す良い例だと言えます。

Paavo Jervi-Beethoven No.7 2楽章

LPが優れてるとは言えない(?)SN比でも、CDなどのデジタル音源よりも良い理由は、倍音、アンビエンス、マイクロダイナミックスの表現力です。CDが数値的にSN比が高いのは実際のSN比が良いのではなく、ノイズを無くし、小さな信号も多くを取り除いてしまうからです。そして音楽に重要な倍音とアンビエンスが消えてしまうためです。

ここで倍音というのはHarmonic Overtoneで、基音の倍数に該当する音です。例えば、200Hzの倍音は400Hz、800Hz…などです。楽器と人は固有の基音を持っています。弦のピッチや管楽器の構造的変化、人の声帯の変化はこのような基音を変化させ、楽器の共鳴胴の、人の胸声と頭声は基音に基づいた倍音を作り上げます。

人々は基音と倍音を一緒に聴いて音を認知し、オーディオでこの倍音の付加を聞こえないようにすると、人々は楽器や人の声の固有の質感を感じず、固く断片的な音として聞こえます。倍音が消えてマイクロダイナミクスが落ちると、楽器のディテールも表現されないため、現実的な楽器音を聞けなくなり、音楽に没入できない状況になります。

ドイツ放送交響楽団と演奏したPaavo Jarvi、ベートーベン7番第2楽章を聴いてみると、団員数が少ないオーケストラの特性ためダイナミックスを生むために小さな音の演奏を極端に小さく演奏するのが特徴の曲です。それでこの演奏では、小さい音で音の表現がよく感じられなければなりません。

各楽器のパートが明瞭に聞こえるか、小さい音でも楽器固有の質感と団員それぞれが見えるのかを注意深く聞いてみました。

CD

先にCDを聞いてみると、この音楽に感動と、団員一人ひとりを確認するのが難しいのはもちろん、楽器本来の質感、空気感も感じるのは難しかったです。頭の中で想像しながら聞かなければなりません。オーケストラ団員の数が把握できない程に確実に減った音が固まっています。

Roon&LP

RoonとLPで聞いてみました。CDからRoon、再びLPと移りながら、セクションの数が増え、ステージが広がり、それぞれが楽器をより慎重で丁寧に演奏するようです。オーケストラのステージ後方はスペースいっぱいの空気感、非常に小さなピアニッシモでも、楽器の質感が全て活きてます。CDと比較して最も大きな違いは、コントラバスです。CDではほとんど聞こえなかったコントラバスが、小さな音でも床に低域広げ、音楽の低音パートを心強く支え守ってくれます。

LPとRoonは、好みの差程度だが、LPとCDは誰でも分かる大きい差があることを確認できました。したがって、CDよりも圧倒的に良いデジタルフォーマットが出てきたのだと、改めて証明できました。

Network Player

次に、現在では一般的なネットプレーヤーで聞いたらどうでしょうか。同じ音楽を一般的なネットプレーヤー+ビバルディDACセットで聞いただけでも、メイン演奏者はいなくなり、学生が演奏するようです。演奏の強弱が消え気の抜けた炭酸のように味気ない演奏になってしまいました。音楽的感動は消え、地味でつまらない音楽でインスピレーションを感じません。

これらの曲すべて、Nucleus単体とNucleus+WSmartHubとで比較をしており、Nucleus単体で聞いた時は、一般的なNetwork Playerよりも繊細で静けさもあるが似たようなレベルの音質です。CDより良いとまでは言えず、システムによってNucleusが小さく聞こえる場合もあります。試聴会でもNetwork PlayerとNucleus単体の比較は評価が分かれました。したがって、アナログに近いデジタル音源を楽しみたい方は、必ずWSmartHubとセットで使う事をお勧めします。

熱の高まった試聴会が終わって、さまざまな質問が出ました。要約して掲載します。

Q&A

  • Q.オーディオ電源にリチウムイオンバッテリーが良い理由は?
    A.オーディオシステムにシールドトランスを使用する機器をよく見ると思います。電線によって流入するノイズを除去する装置です。リチウムイオンバッテリーは、サイズは小さいが、インピーダンスが極端に低く(一般トランス比50~100万倍)、信号経路上のノイズをブラックホールに吸い込まれるように無くします。
    今日使用したターンテーブルは、価格で見ると、デジタルシステムの十分の一の価格しかしないが、音は圧倒的に優れています。その理由は、電源を一般的なSMPS電源ではなく、リチウムイオン電池が入ったバッテリーで駆動しているためです。
    DCモーターの場合も非常に激しいノイズが発生する(高価なターンテーブルが電源部を別の筐体で非常に大きく優れた物を使う理由でもあります)が、バッテリー電源がそのノイズを除去し、ターンテーブルの駆動を非常に安定的にさせ、音質を飛躍的に向上させるからです。
    ターンテーブルも基本電源部とバッテリー電源を比較すれば、今日のCDとNucleus+WSmartHubレベルの音質の差が出るようになります。
  • Q.CDを聞いている場合は、どのようにすればいいか?
    A.アナログ回路でノイズはデジタル回路では、ジッターが発生します。アナログでトーンアームでのノイズは、スピーカーから音楽を聞けないほど累積され増幅されるが、ジッターエラーの場合は累積ではなく、時間軸が揺れるので、一ヵ所のみジッターを改善すれば音質も改善します。
    CDの16Bit/44.1kHzのフォーマットの問題ではなく、CDトランスポートでCDを読む時に、構造的にデータを失ってしまう問題によってCDの音質が劣化するので、パーフェクトリッピング(同じ区間を5回以上読んでエラーを補正するリッピング方式)などを利用してCDをハードディスクに保存すれば、CDより音質が更に良くなります。
  • Q.NucleusとW COREの音質の差は?
    A.WCOREEとNucleusもインテルのNUCボードを使用しており、その違いはノイズ、制御の部分です。WCOREはトロイダルトランスのネットワーク部(イーサネットポート)にリチウムイオンバッテリーを用い、コンピューター(WCORE)で発生したノイズが外部に放出されないようになっています。
    一方、NucleusはSMPS電源部(FSPという最も良いSMPS電源部を作る会社のものを使っています)を使用していて、マザーボード上のSMPS電源を利用して、ネットワーク(イーサネット)電源を供給しているので、相対的にノイズが発生することになります。
    しかし、このノイズはWSmartHubをつなげれば、ほとんどWCOREレベルの音質が出ることを確認できます。WCOREとNucleus+WSmartHubの音質の差は僅かで、WCOREが更に鮮明でハイエンドな傾向を持っており、Nucleus+WSmartHubはもっと豊かでアナログ的であると確認できます。好みによってか、持っているアルバムによってWCOREかNucleusを選べば良いです。
  • Q.Roon NucleusをWSmartHubにつないだ時の音の違いが大きい理由?
    A-回答のために、一般的なハブ+Nucleusの音と、WSmartHub+Nucleusの音を比較してみました。
    一般的なハブ+Nucleusの場合、一般のネットプレーヤーより少し繊細になって物静かになるが、好みで分かれる程度の音質差です。これはNucleusの問題というよりは、ルーターで発生するノイズが音楽にどのような影響を及ぼすかを示す良い例だと言えます。再びWSmartHubを使用して聞いてみました。
    この実験の勝者は、WSmartHubスマートハブと言えるほどに多くの違いで、オーディオは電気と振動との戦い、つまりノイズとの戦いに完結すると改めて確認できた時間でした。

今日の聴いたように、WSmartHubを使うと、特にRoonでは強大な力を発揮します。Network PlayerのDACであるdCSビバルディも基本的にWSmartHubに接続していたにもかかわらず、Network PlayerとNucleusの音質の差は格段でした。

優れたハイエンド音質を聞きたいならばWSmartHubは必須アイテムだと思います。WSmartHubはハイエンドデジタルソース機器を完成させる最も重要な役割をになう唯一の製品です。

「私好みのヘッドフォン探し」

WaversaSystems製品のTuningや試聴などにも協力していただいているHiFi Clubで、4月10日まで開催されている「私好みのヘッドフォン探し」イベントの紹介です。


「私好みのヘッドフォン探し」

3月21日から4月10日まで

製品:SENNHEISER、AKG、beyerdynamic、B&W、Sonus faber

HiFi Club試聴室に、海外有名ブランドのフラッグシップ・ヘッドフォンを一堂で比較して聴ける機会を用意しました。
AKG、SENNHEISER、beyerdynamicに代表される伝統あるヘッドフォンブランドから、B&WとSonus faberのようなスピーカーメーカーのヘッドフォンまで、様々な製品を用意しました。

今回のイベントは、リファレンスのヘッドフォンアンプとして、WMiniHPAを使用しています。
WMiniHPAによって、ヘッドフォンが完璧に駆動された時のサウンドを楽しめるように、そのヘッドフォンのユーザーの方でも、このヘッドフォンアンプの力でポテンシャル更に引き出す事ができるかを体験でき、近頃勢いのあるRoonをモバイル製品に使うと、どのような音質変化があるのかも体験できる良い機会になるはずです。

Shanghai HiFi Headphones Expo

先週末に名古屋でポタフェスがありましたが、Waversaは新製品の準備が間に合わず展示できませんでした。

同じ日に中国では、上海Hi-Fi Headphones EXPOが開催され、現地のWaversa販売会社が参加しました。

来月のヘッドフォン祭では新製品を公開します。

アメリカのSoundStageUltraにレビュー掲載!WDAC3 Mk.II

権威あるオーディオWebメディアのSoundStageグループの中でも、特にハイエンドに重点を置いているSoundStageUltraに、WaversaSystems WDAC3 Mk.IIのレビューが掲載されました。

日本ではいつになったら発売するのかとお問合せもいただきますが、なかなか思うように進まず遅れ続けており申し訳ありません。

書斎の雰囲気でシンプルなインテリア・リスニングルーム

HiFi Clubのコラムを翻訳掲載

オーディオ試聴室(リスニングルーム)は過度なルームチューニングを行うと、一般的な感覚で見ると美観を損なう場合が多くなってしまいます。ルームチューニング機材を使いすぎて、逆に音響を悪化させてしまう場合もあります。HiFi Clubでは最小限のルームチューニング材を使って、ルームアコースティックの点でもインテリアの点からもすっきりとしたリスニングルームを研究しています。

一般的なルームチューニング材を使って施工したリスニングルーム(HiFi Club試聴室)

シンプルなインテリアで仕上げたHiFi Clubの第2試聴室

HiFi Club試聴室は、清潔感ある一般的な書斎のインテリアで、アコースティック・コントロールができるように施工した部屋です。

書斎の雰囲気の第2試聴室

用途によって、このようにすっきりとした壁材だけでもアコースティック・コントロールが可能です。壁はツーバイフォー施工で、てコンクリート壁と仕上げ材の間に空間を作り、内部には吸音用充填剤を入れて内部で響かないようにしました。

ルームチューニングで最も重要なのは、過度な吸音はすべきではないという点です。特に一般的な建築資材(吸音ボード、多孔吸音板など)の吸音材は、500Hz以上の全ての音を吸収してしまうので、音楽において最も重要な倍音とアンビエンスが全部消えてしまうために注意が必要です。それに比べて、よく考えて作られたオーディオ用の吸音材は、500~1,000Hz帯は吸音をし、その上の帯域は分散させるため音の情報損失が少なくなります。

外観はきれいだが、この写真のように吸音材を見えないように施工してのアコースティック・コントロールが可能です。必要に応じてルームアコースティック専用仕上げを使っても良いが、価格が非常に高価になるのが欠点です。吸音材を壁に埋め込んで多孔吸音板を使い壁紙で仕上げれば、すっきりとした吸音壁が完成します。ただし、分散材の場合は吸音材のようにな完全埋め込みは不可能で、ディフューザーなどを露出させる必要があります。

側面の壁です。木のモールディングを使い、液剤フレーム処理し、枠状に見えるようにポイントを与え、必要に応じて内部に部分的に吸音処理することもできます。このように、何も無い状態の部屋は、ある程度の響きが発生します。オーディオ機器や家具、カーペットなどが置かれて音がデッドになるためです。

背面の壁です。後ろの壁に本棚や家具などを置き、自然な音の分散を誘導するようにします。

照明を調整して部屋の雰囲気を変えることもできます。

機器をセッティングした状態です。最小限のルームアコースティックで、気軽に音楽を聴くには全く無理のないリスニングルームです。

床のラグ、布地のソファなどを利用して、音の反射を減らします。これによって、すっきりとしたインテリアのリスニングルームが完成しました。

最小限のルームチューニング材

第2試聴室は上記のように、壁に特別な処理をしてません。(このようなシンプルな雰囲気で、インテリアを阻害しないオーディオルームをご希望の場合は、今回のようなルームアコースティックも可能です)試聴展示場の特性上、様々なルームチューニング機材をテストする必要があるためです。したがって、第2試聴室はインテリアを損なわず、すっきりと最小限に、デザイン的にも良いルームチューニング材を使って施工しました。

artnovion社のルームチューニング材は重量が軽いので、壁に取り付け機材を付ければ非常に簡単に施工できます。

artnovion社のTua mobile Wallを取り付けた横側の壁です。白のインテリアに合わせ、ホワイトを選びました。横壁の1次反射点は吸音処理を行うことをお勧めします。スピーカーの1次反射点にartnovion Tua mobile Wallで吸音処理しました。artnovion製品の中で最も吸音係数が高い製品だが、部屋自体がライブ傾向なので選びました。

スピーカー奥の壁中央には、OFFECCT社製のディフューザーを使って分散処理をしています。スピーカーの後ろの壁は[吸音ー反射ー吸音]や[反射-吸音-反射]になるようにします。第2試聴室は[吸音-反射-吸音]処理にしています。この場合、サウンドステージの深さが良好になり、フォーカシングが明確になります。

OFFECCT社SWELLディフューザーをスピーカー後ろの壁中央に設置しました。デザイン的にも優れ、第2試聴室のインテリアと調和してます。

後ろの壁の左右にはartnovion Saharaを使って吸音処理を行いました。Saharaは吸音効果はもちろんのこと、非常にシンプルなデザインでインテリアの点でも優れたルームチューニング材です。

Saharaの吸音係数グラフです。350Hzから4,000Hz帯域まで吸音します。500~1,000Hz帯で集中的に吸音し、最も問題となる帯域を吸音します。以降、2,000Hz帯域から適度に吸音し、自然な高域特性を作ってくれます。

artnovionのルームチューニング材は、ルームアコースティック効果はもちろん、デザインや仕上げなども非常に優れたルームチューニング機材です。

ルームチューニング材を設置した状態です。何もない状態よりも、むしろ見た目でも更に安定感のあるリスニングになりました。

Synergistic Research HFTで仕上げ

施工の仕上げ段階です。 Synergistic Research社のHFTです。
HFTは共鳴を利用するルームチューニング材で性能が非常に優れています。最も大きな効果はアンビエンスを作ってくれることです。アコースティックルームの自然な残響とアンビエンスを作るためには、ディフューザー(分散材)を多く使うべきです。しかしディフューザーは基本的にデプス(高さ)が20cm以上必要で、目的とするルームアコースティックの効果を得るためには多くのディフューザーを設置しなければなりません。

レーザーを使って正確な位置にHFTを設置します。

第2試聴室に設置したHFTです。後ろの壁に4個、側面に2個、天井に1個、スピーカーの向かい側に1つを付けました。ほとんど目に見えない小さなサイズで、美観を損なわないのも特徴の一つです。

HFTは自然に超高域の情報を復活させます。一般的な部屋の特性上、高域の情報が失われてしまい、高音の弱音が無くなって、断片的な音になりがちです。HFTをうまく使えば共鳴効果で高域情報の多くが生き返り、とても自然で新鮮でクリアーなサウンドが出て静けさも向上します。

全て完成した状態です。明るさを調節できる照明で、部屋の雰囲気も変えられるようにしました。予想どおり、非常に完成度の高い優れたサウンドが出てとても満足しています。

専用リスニングルームを考えている方はHiFi Clubにご連絡ください。

世界初、オーディオ専用ルーター

世界初、オーディオ専用ルーター

WaversaSystemsは世界初のオーディオ専用ルーター、WRouterを開発中です。

近年の高音質再生の大勢は、DLNA方式やRoonに代表されるネットワークオーディオが、相互通信の多いネットワークの特徴で、音質が劣化する要因となっています。
特にルーターは、ネットワークオーディオ機器と直結し、オーディオ機器に相当な影響を及ぼすにもかかわらず、これを改善するオーディオ向けのルーターが存在しませんでした。

開発中のWRouterは、オーディオグレードで世界で初めて開発したルーターで、WANポート、一般ポート、そしてオーディオ専用ポートが個別に搭載しており、メイン電源はリニア方式で、オーディオポートはバッテリーで動作し、
電源による音質劣化を最小限に抑えます。
ここにSSDを使ったネットワークストレージ構成とデジタルオーディオ出力に対応し、様々に活用できる仕様です。

現在開発は最終段階です。

WRouterの主な仕様

  1. 8ポートオーディオ専用ギガビットルーター
  2. Wi-Fi対応
  3. 11ac対応モジュール型無線LANカード(M.2ファクター)
  4. 2つの着脱式アンテナ
  5. WAN x1、一般用 x3ポート、オーディオ用 x4ポート
  6. USB&Coaxial、デジタル出力のサポート(Roon Ready、DLNA対応)
  7. メインリニア電源
  8. オーディオ専用ポートバッテリー電源
  9. 内部にmSATAスロット x2(1つはM2 SATA)
  10. USBポート x2搭載(フォーマット:FAT32、NTFS)
  11. WAPテクノロジー採用(Waversa製品間の連動可能)