WNAS3の生産状況についてお知らせします。
全ての部材が揃い、組立工程のスケジュールに入る予定です。
認証機関の処理は日程が定まらないので、その後の正確な月日まで確定するのは難しい状況です。
認証が取れ次第、日本での発売準備を進め、ご予約のオーナーさんへ出荷を開始します。
今回は、まだ公開していないパーツなどについて書きます。
WNAS3はDACチップとデジタルプロセッサーを搭載したマザーボードの他にも、様々なPCB基板で構成されています。
今回はその中から3つのボードについて書きます。
ドライブマウントPCB
まず始めに、画像の左上のPCB基板。
HDD/SSDを5台まで取り付けられるマウント用PCBで、裏側にはSATA端子があります。
使用パーツを見ると、高精度な電源処理を行うためのミリタリーグレードのパーツを見ることができます。
ドライブマウントPCBの背面は、アルミ切削されたガイドに沿って確実にドライブを取り付けられる、5つのスロットがあります。
WNAS3を見て「とても大きい」という感想がありますが、大きくなった理由の一つがドライブスロットを5つ内装したためです。
SATAポートを5つ拡張するPM(Port Multiplier)技術を活用しました。
市販品でこの技術を採用する5ベイの外付けドライブだけでも、なかなかの価格で販売されています。それをミリタリーグレードで自社開発し搭載しました。
切削加工されたガイドに沿って取り付けたHDDが見えます。
ドライブ電源PCB
続いて、写真の右側にあるPCBが初公開となる、HDDとODDの電源を独自に供給する電源ボードです。
コストアップになっても、モーターが入る二つの大きなノイズ源を、メイン回路から完全に遮断するために追加搭載しました。物理エネルギーは逆起電力を生成し、デジタルとアナログ部の両方に悪影響を及ぼします。
ODDの下部に電源基板と専用トロイダルトランスがレイアウトされます。
この部分によって、ドライブとメイン回路が完全に分離され、高音質を維持します。
ディスプレイ用PCB
第三に、写真の下のPCBはLCDディスプレイ用PCBです。
メインボードから送信される表示情報は、その量が膨大ため、高速で多くの信号線が必要です。
このため通常は、メインボードをLCDパネルの近くにレイアウトして設計することになります。
しかしオーディオにおいては更に重要なポイントがあります。電源やアナログなどのノイズが入ってはならない部分を優先的にレイアウトする必要があるということです。
よって、LCD部分はデジタル回路が集まる箇所へ押し出されます。マザーボードと前面LCDとの距離は30cmを超える場所に、特殊な方法で配置されています。
30に達するLCD信号を、4つのLVDS信号に変換し、長距離でも信号を変化させず受信できるように設計を行いました。ディスプレイ用ボードはマザーボードから渡されたLVDS信号をLCD信号に変えて画面を描きます。
一般的にLCDボードは市販のLCDインターフェースボードを購入して搭載しますが、WaversaSystemsはWNAS3にオーディオグレードでLCDボードの開発して搭載しました。
他にも様々なパーツが待機中です。