海外販売価格 10,000ドル
WPHONO3
「古い名盤を、本当に良いサウンドで楽しみたい」
「モノ盤もステレオ盤も、共に楽に聴きたい」
「アナログの高いS / Nが生み出す極限の静寂を感じたい」
「簡単な設定で精密なチューニングを楽しみたい」
「アナログサウンドで、深く明瞭な低域のクオリティを感じたい」
アナログを愛しているならば、一度はこれらの内容を望んだことでしょう。
サウンドに満足できれば設定が面倒で、静寂で良い音のためには様々なトランスやマッチングを試し、最終的に機材はどんどん増え、面倒で管理も困難になります。
そこにモノ盤まで調整しなおしてフォノアンプとトランスも用意するとなると、システムの複雑さは非現実的なまでに膨大になってしまいます。
アナログを愛する人へ
WPHONO3は、真にアナログを愛する人ならば究極という言葉で現したくなる、全ての理想を描いたWaversa Systemsのフォノアンプです。
カートリッジを上げる前まで、このフォノアンプが動作しているのか分らない程の静寂さ。
モノラル盤からステレオ盤まで、全てのマッチングが可能であり、様々なカートリッジとのマッチングの利便性、更にレコード会社、レーベル、それぞれのカーブを簡単に変えて聴ける利便性は、従来のどんなフォノにも替えられない音質と利便性の二兎を得ました。アナログを愛する方なら、WPHONO3の解説をご一読ください。
最高のアナログ技術を融合したフォノアンプ
- 完璧なマッチングに細分化されたインピーダンス設定
- RIAAカーブの根本に対する考察で完成した完璧なイコライザー
- カーブ別に25個の独立した回路
- 信号損失と歪みのないアクティブイコライザー方式
- デュアル低域ステージで構成されたTCR型フォノイコライザー
部品の1つにも手抜かりのない、音質のためのフォノアンプ
- 最高級昇圧トランス(昇圧比調整可能)
- アッテネーターボリューム
- スウェーデンのLUNDAHL最高級トランス
- 最高級の抵抗とコンデンサの採用(takman の抵抗とWIMAコンデンサ)
- バランス出力設計
最大精度かつ操作しやすいフォノアンプ
- スイッチ設定可能な昇圧比
- 様々なカートリッジをスイッチ1つでインピーダンスマッチング可能
- リモートを使用してカーブ選択可能
- ゲイン調整による機器間のマッチングと詳細なチューニングも可能
海外販売価格 10,000ドル(100万円)
オプション
・LL1678(昇圧トランス):6万円追加
・LL1941(昇圧トランス):10万円追加
・LL1941AG(昇圧トランス):22万円追加
・LL1941AG(モノ用昇圧トランス):11万円追加
▲MM/MC入力モジュール(MC昇圧トランス)
モジュール型昇圧トランス
2x MM/MC Modular input
MCカートリッジの出力不足で適正出力を得るためには、ヘッドアンプや昇圧トランスが必要です。
一般的にS/N比や繊細さでは昇圧トランス、広帯域のダイナミックレンジや躍動感ではヘッドアンプが有利と言われています。WPHONO1がヘッドアンプ方式で、WPHONO3は昇圧トランス方式で非常に優れたS/Nに静けさ、背景、MCカートリッジの繊細さを最大限に活かして美しくシルキーな高域表現を現します。低域表現力でもTCR方式によって躍動感に劣るという昇圧トランスの欠点を克服しました。
WPHONO3は昇圧トランスをモジュール型で設計し、簡単に交換でき、インピーダンスマッチングや昇圧比調整も可能です。昇圧トランスには3種類あります。それぞれコアの材質と周波数応答特性に違いがあり、LL1941とLL1941AGは音色でも違いがあります。しっとりと艶のあるサウンドが好みの方は、LL1941AGをお勧めします。モノラル盤をより楽しみたい場合はモノ専用LL1941AGを特に推奨します。
昇圧トランスモデル | コア材質 | 周波数特性(+,-/-1dB) | オプション価格 |
LL1678 | アモルファス | 10Hz〜35kHz | 6万円 |
LL1941 | アモルファス、カルダスコイル | 10Hz〜100kHz | 10万円 |
LL1941AG | アモルファス、銀コイル | 10Hz〜100kHz | 22万円 |
LL1941AG(モノのみ) | アモルファス、銀コイル | 10Hz〜100kHz | 11万円 |
2つのモジュールは異なる曲線のカーブを適用し、モノ盤とステレオ盤のモジュールを異なる設定で使用することもできます。
※LL1941AGは特注生産のため、若干の納期が必要です。
▲帯域の広い再生の昇圧トランス採用
MCカートリッジによる詳細な調整
インピーダンスと昇圧比の調整も可能
Moving Coil Cartridge Step-up Transformers
MCカートリッジはMMカートリッジとは異なり、コイルとスタイラスが接続されており、コイルを使っても一般的に十数周程度しか検知できないため、MC型カートリッジの出力電圧はMM型に比べて1/10以下と低いのが短所です。それだけ増幅のために昇圧トランスやヘッドアンプが必要で、信号対雑音比でも不利になります。それにもかかわらず、MCカートリッジが愛用される理由は、繊細な表現ではMMカートリッジよりも優れているためです。当然、中途半端なフォノアンプを使う場合は、MMカートリッジを薦めるのが通常だが、ハイエンドのサウンドを目指すならば、MCカートリッジがより向いています。
▲インピーダンス負荷による周波数応答曲線の変化
しかし、MCカートリッジはインピーダンスが変化し、正確に調整されないと、まともなサウンドを楽しめません。WPHONO3は、昇圧費調整、インピーダンス調整、ゲイン調節によって、MCカートリッジが持つ本来の性能を最大値に引き上げられます。
▲昇圧費の切り替えスイッチ(H/M/L)
昇圧費調整
昇圧費調整は3段階です。L1:8、M1:16、H1:32で、使用するカートリッジの出力に合わせて適切な割合で昇圧比を調整します。例えば、一般的によく使われるMCカートリッジの、DENON DL-103Rの場合、出力が約0.3mvで、適正な出力を確保するために、1:8程度の昇圧費をかけると正常な音で聞けます。
▲インピーダンス切り替えスイッチ(多様なMCカートリッジ対応可能)
インピーダンス調整
昇圧費に続いて、適切な周波数応答曲線を得るためにインピーダンス調整が必要です。
例)Dynavector DV-20X2
- Type High / Low output moving coil cartridge
- Output Voltage 2.8mV / 0.3mV(at 1KHz、5cm / sec)
- Channel Separation 25 dB(at 1KHz)
- Channel balance 1.0 dB(at 1KHz)
- Frequency response 20 – 20,000Hz(±2dB)
- Compliance 12 x 10-6 cm / dyn
- Tracking force 1.8 – 2.2grams
- DC resistance 150 ohms / 5 ohms
- Recommended load resistance > 1000 ohms /> 30 ohms
- Cantilever 6mm length、hard aluminium pipe
- Stylus Micro Ridge Nude diamond
- Weight 9.2 grams
MCカートリッジの設定
カートリッジの仕様で、[Output Voltage]と[Recommended Load resistance DC]、[resistance]を確認します。
DC Resistanceや内部インピーダンスに合わせて近い値のスイッチを下に切り替えます。高域の開放感が足りなく聞こえる場合には、一段階高いインピーダンススイッチを下げます。
※インピーダンスが合ってない場合、高域が荒く散漫に聞こえる傾向があります。ピアノの鍵盤の音が不鮮明で、音程間の移動(オクターブの変化)が不自然に感じられる場合に、インピーダンス調整が必要です。
▲ボリューム調節によってゲインと高域周波数の特徴に変化を与えられます。
ボリュームゲイン
最後に、ボリュームゲインによって高域の表現力に変化を与えることができます。ボリュームはステップ式のアッテネーターで、可変抵抗ボリュームと異なり情報量の損失がありません。基本的に12時位置がリニアな周波数応答で、時計回りに上げると高域側のゲインも上昇します。
アッテネーターゲイン調整ボリューム
Ladder type attenuator volume for matching catridge input level
フォノアンプにボリュームが搭載された機種は多くありません。しかしWPHONO3は正確なマッチングを行い、音質の完成度を引き上げられるように、ゲイン調整ボリュームを搭載しています。特にWPHONO3に搭載したボリュームは、ハイエンドのフォノアンプとして、アッテネーター方式で製作され、情報量の損失を最小限に抑えています。
基本的に12時位置がリニアな周波数応答で、12時から時計方向に回すと、高域のゲインも上昇します。
▲真空管12AX7が4個装着
マッチングされた4つの12AX7 for amplifier
2x each channel including transformer output stage
12AX7は、広帯域に渡るリニアな特性と、真空管特有の暖かく柔らかい音色でプリやフォノに広く使われる真空管です。非常に人気のある真空管なので良い管の種類も多く、安価な管でも特性が良いです。WPHONO3は12AX7を採用することで、真空管チューニングの醍醐味を楽しめます。
▲左のシールド部分にトランスを収容
TCR型アクティブ・イコライザー
▲(左)パッシブ方式、アクティブ方式(右)
アクティブ方式はフィードバック方式で原信号を最大限保ちます。
WPHONO3は、従来のフォノアンプとイコライザーの方式から大きく異なります。
リレー方式(5 step turn over and 5 step roll off equalizer selection via remote controller)で動作するイコライザーの方法は、信号の損失がないアクティブ方式(フィードバック方式)です。 NFB(Negative Feedback)負帰還方式を使用した製品の場合、製作が簡単で、ノイズが少なく、歪率も少なく、音も安定してますが、解像力が不足気味で、過渡特性が悪く、最終的には低域のテンションと高域が抜けない欠点があります。
これに対してアクティブ方式は、パッシブ方式とは異なり、信号の歪曲と損失を最小限に抑え、イコライザーの適用で低域のエネルギー喪失と帯域の狭小化を完全に克服しました。
▲WPHONO3のTCRイコライザーとデュアル低域ステージ
アナログサウンドの低域が高まると、明瞭さが足りないと感じる場合があるが、実際にはこの偏見はフォノアンプが元信号を復元する時に使うイコライザーの影響が大きいです。
特に、レコード盤の特性上、低域周波数に対する情報量が不足しているために、より正確な復元ができてこそ、明瞭でテンション感のあるしっかりとした低域を満たす事ができます。WPHONO3はイコライザーをTCR型(Transformer&Capacitor&Resistor)方式で設計し、より正確なイコライザーによって元信号を復元させます。特に不足している情報を、より正確に復元するために2つの低域コントロールステージをレイアウトし、従来のフォノでは難しかった深く明確な低域を再現します。
▲適用カーブを確認でき、リモート操作も可能です。
2つのモジュールにそれぞれ異なるカーブ曲線を適用し、モノ盤とステレオ盤を個別に設定できます。
根本的なRIAAカーブの分析と考察
5 step turn over and 5 step roll off equalizer selection via remote controller
1954年に技術標準として出た’RIAA EQカーブ’をサポートし、同時にそれ以前の多様な ‘non-RIAA EQカーブ’にもサポートして数多くの音楽の英雄達の音源を正確なEQカーブで聴くことができます。独立した回路の25種類で、様々な組み合わせのEQカーブを使って真のLPの音を探してお楽しみください。
LPの登場で音楽市場は黄金期が、消費者には混乱期
SPからLPに移行できた決定的な技術の1つは、録音時の特別な再生曲線、つまり特別なEQカーブを作って録音する技術です。一般的に低音の音が大きい場合、LPの内部でカートリッジの針が読まなければならない屈曲が大きいため、その分LPに描かなければならない屈曲が多くなり、レコード表面の場所を多く占め、多くの量の情報を載せることができません。そのためLPを作るときには低域を減らし、高域を増やす状態でレコード表面の場所をたくさん使わないように作り、1枚のLPに多量の情報を記録できるようにし、再生する際は反対に、低域を増やし高域を減らす事で、リニアな周波数曲線を得るのがLP録音に採用した技術です。
しかし、このような画期的な技術にもかかわらず、各レコード会社は自分たちが持っている録音の経験と機器や録音状況によってそれぞれ異なるEQカーブを使用するようになり、様々なEQカーブは消費者にとって大きな混乱となりました。いくつかのターンテーブルでは音楽が正しく再生されるが、別のターンテーブルで再生すると低域は削られ高域がとても大きくなったり、その逆だったりと言った状況が生じました。
▲5×5カーブ曲線を適用するTCR型イコライザー
RIAAの技術標準として市場の混沌を解消
この混沌は当然消費者たちの不満が増加することになり、多くの会社で「標準EQカーブ」を作ろうという必要性が提起されました。1948年米国Columbia社が最初にLPを発売してから約6年後、1954年にRCAの「New Orthophonic」再生曲線がRIAA(Recording Industry Association of America:米国録音産業協会)によって採択され、この後1960年代半ばになってようやくヨーロッパのアルバムや録音会社でもRIAA EQカーブを使用することになり、ようやくEQカーブは統一されるようになりました。
▲RIAA EQカーブの録音時と再生する時に曲線グラフ
RIAA再生曲線、果たして完璧な再生曲線なのでしょうか?
現実として、実際はどうなのかは、インターネットで検索すれば見つけられます。しかし、長い産みの苦しみ末に誕生したRIAA EQカーブも完璧ではないというのが現実です。技術的な基準は、単に高域を減衰(ロールオフ)し、低域を増幅(ターンオーバー)する点を一定に定めていて、高域と低域を分ける中間地点となるポイントは「1kHz」と定めるという情報だけです。それに加えて中低域部分である100~500Hzの部分はどのように再生曲線を作るのか明確な基準がないということです。
LPプレイの真の接近
実際に、これまで多くの方々がこのようにRIAAで録音されていないアルバム、つまり「non-RIAA」で録音されたLPレコードを再生しようとする時、単に「この録音がおかしいだけだ」、「音が本当に変わってる」という感じを持ったことが事実です。しかし、上で説明したように、non-RIAAのアルバムは録音当時に、使われた特別なEQカーブで再生してこそ、ただしい、まともな音で聞くことができます。そのために登場した製品もあります。各レコード会社が固執していた固有の再生曲線に合わせて、自由にEQカーブを調節できるようにした製品です。
▲EQカーブ選択フォノアンプ、7つの選択が可能。
WaversaSystemsはこの部分について、大きく2つのソリューションを作りました。まず、5×5で25通りの組み合わせでEQカーブを選択し、non-RIAAのLPレコードを再生できるようにしました。このソリューションにより、単に4~5つのレコード会社に合ったEQカーブを選択するのではなく、より高精度で精密にEQカーブを選択して、適切で正確にLPを再生できるということです。これはまるで「アルバムに隠された宝物をみつける」ような事です。
2つ目のソリューションは、中低域帯に対するRIAA EQ Curveを数ヶ月間、数多くの調音テストによって、元のレコードが持つ最も本来に近い曲線で再生できるようにチューニングしました。実際にチューニングの過程でジャズ、クラシックなど、様々なジャンルで1万回ほどの再生によって得たデータです。
▲様々なセット値があるnon-RIAA EQカーブを正確に選択してこそ、本来の音に合わせて聞くことができる。
なお、この25種類のEQカーブ選択機能を、単に1つの可変抵抗や回路で作られたものではなく、左右を完全に分離し、左右の各TurnoverとRolloffにそれぞれ5個ずつ別個の回路で構成し、可変抵抗などを使わずに音質が劣化しないようにしました。
一般的にフォノアンプでびEQカーブ選択は「トーン・コントロール」をする部分と認識されていますが、、そうではありません。ベース/トレブルのトーン・コントロールは、各レコードに合わせてEQカーブを作ることはできないからです。それで全てのレコードは、必ずその当時に録音されたEQカーブに合わせて再生する必要があります。
▲各レーベルと録音会社ごとに異なるEQカーブ
RIAA EQ Curve Correcting Technology
通常、RIAA EQカーブで録音されたレコードの標準は、当時500Hz以下を定振幅録音、500~2,120Hzを定速度録音、2,120Hz以上はS/N比を改善するためにプリエンファシス(録音)をしました。このような録音を逆に再生するときは、最終的に標準的な1kHzより低音を増幅し、高音は相対的に少し増幅するように作っており、標準が1kHzで定められた理由は人の耳がこの周波数に最も敏感だからだそうです。
▲赤色のRIAAカーブは、青い星印の部分で分かるように、低音は最も多く増幅し、高域は少し増幅する。
上の図のように、RIAAカーブは他のEQカーブより低音を最も多く増幅し、高音は中程度のレベルで増幅します。このグラフをよく見ると、中低域で生じるトレブルロールオフとベースターンオーバーのポイント(グラフが完全に折り返す部分)で、ほとんどのEQカーブは1590~3180Hz/400~800Hzで形成され、中低域のマイクロダイナミクスとアンビエンス信号に大きな影響を与えます。
WPHONO33は70年前に作られたRIAA EQカーブの完璧な再現のために多くのシミュレーションと調音テストを行い、最も完璧なカーブを実装し、デフォルトのRIAA Curve以外にもWaversaSystems推奨カーブも選択できるようにしました。