- 6,000ドル前後予定
- 海外で2017年6月末発売予定(日本発売日未定)
198回ハイファイクラブ試聴会で、Waversa SystemsのWNAS3の試聴が行われました。
WNAS3は、Waversa Systemsが新たに発売するハイエンドトータルデジタルソースです。
CDプレーヤーから、NAS、ネットワークプレーヤー、DACまで、すべてのデジタルソース機器を統合した機器です。
試聴会の前から多くの方々に注目され、予定より30分早く試聴会は開始されました。
今回の試聴会は、kaiser acousticsのClassicスピーカーとWaversa Systemsのシステムで構成しました。
このスピーカーは最近耳にした中で最も優れた音質で、ナチュラルで優れた音質とスケールを聴かせるハイエンドスピーカーです。
Waversa SystemsのVPreとVPowerがアンプを担当し、ソース機器は、今回の試聴会の主役となるWNAS3とWDAC3T(Tubeバージョン)、そして開発中のWCore(ROON Core)がデジタルソース機器に繋がりました。
WaversaSystems WNAS3
▲ WaversaSystems WNAS3
WNAS3は’Total Digital Solution’という名称にふさわしく、まさにソース機のすべての機能を1つの機器に搭載していると言えます。しかしWNAS3の最も大きな特徴は、多様な機能を搭載しても、どこか1つでもおろそかにせず、それぞれ全てがハイエンドだということです。
ひとつひとつ全ての機能が単体でも最高の性能やハイエンド音質を出すように設計されたWNAS3の機能と性能を紹介します。
CDプレーヤー/CDトランスポート/CD機能
WNAS3にはCDスロットがあります。これはシンプルに単体CDプレーヤーとして使えます。
WNAS3のCDプレーヤー機能は一般的なCDPとは異なり、CD情報をメモリーに読み込んで再生する構造です。これはBoulder 1021、PS Audio、BLADELIUSなどが使う方式で、CDのエラーを減らして音質を更に向上させる機能です。
WNAS3はCD情報を2度読むシステムとなっています。二回読み込みを行い、2つのデータを比較し、エラーを除去してジッターや情報の損失を改善し、優れた音質向上効果があります。このようなCD情報メモリー機能は更に、一度読んだCDは5つあるドライブベイの5番ベイに保存しておき、次回から簡単に再生できることも大きな特徴です。
▲WaversaSystems WNAS3試聴会に使用したシステム
CDタイトル、およびタグ情報表示
WNAS3はCD再生時に、インターネットからCDの情報を取得し、ディスプレイに曲名および曲に関する情報を表示してくれます。トラックナンバーと再生時間を表示するのが一般なCDプレイヤーですが、一段階さらに進んだ機能を搭載し、再生中の曲に関する詳しい情報を広いディスプレーに表示する便利な機能です。
NAS(Network Attached Server)
WNAS3はオーディオ専用NASです。5つの2.5インチSSDやHDDを搭載でき、電源を入れた状態でディスクを交換できるホットスワッピングが可能です。一般的なNASとは異なり、リニア電源など最高の音質のための超低ノイズ、超低ジッターの設計で、オーディオストリームに最適化されてます。
DLNA対応
WNAS3はDLNA対応です。スマートフォンやアイパッドなどを使って、選曲や再停止などリモコン操作が行えます。DLNA対応の多くのアプリケーションや音源を楽しめます。
※Apple AirPlayにも試験対応(未保証機能です)
ROON対応
WNAS3はROONのRAAT(Roon Advanced Audio Transport)サポートでROONに対応します。ROONは多様なデジタルフォーマットの音源を処理し、DACにRAWデータを転送してDACの負荷を減らし、よりよい音質で再生するソリューションです。また、曲のMetaデータで参照するのではなく、ROONソフトウェアが直接曲を解析して該当曲を判断し、曲情報を提供する非常に便利で優れた機能も持つ次世代デジタル・プレーヤーと言えます。
FM Tuner
WNAS3にはボーナス機能と言えるFM Tunerが搭載されました。この部分も単体チューナーとしてだけ使用したとしても優れた性能のチューナーが入っています。一般的なアナログ方式のチューナーではなく、受信したFM信号をデジタルに変換して処理することで、ノイズ低減とS/N比を格段に向上しています。
WNAS3は受信したアナログ信号をデジタル変換し、FM信号の復元&補正技術(ADコンバーター・I2S・WAP・Digital Output)を搭載します。このシステムのWAPによって、ノイズが多く帯域は狭く、S/N比も良くないFM放送のダイナミックレンジを格段に向上させ、画期的に改善された音質を得ます。これによってWNAS3のチューナーは高価なハイエンドクラスのチューナーに劣らないの音質を得ることになることです。更にこれをデジタル出力を利用してDACと接続をすれば、これまでに無いブロードバンドのサウンドクオリティを聴くことができるようになります。
Headphone Amplifier
WNAS3の多様な才能は優れた性能のヘッドフォンアンプまで内蔵されているということです。それこそギフトセット詰め合わせのような構成です。Waversa Systemsのポータブルヘッドフォンアンプ’D2’に採用されたディスクリート回路を採用し、ドライブが難しいAbyssなどのハイインピーダンスヘッドフォンもドライビングさせ優れた音質を聴かせます。
内蔵ヘッドフォンアンプは、ヘッドフォンオーディオの頂点と言っても過言ではありません。フルディスクリート設計のヘッドフォンアンプ段は従来のOPAMP増幅素子の200mWに比べて40倍程度高い8Wに届くほどの強力な出力です。これは瞬間出力が60Wに達するMOSFETをチャンネルごとに4つずつ、計8個を搭載することで可能となりました。卓越したドライビング能力によって、鳴らしにくいヘッドフォンを余裕をもってポテンシャルを引き出します。
Digital Output
WNAS3は多様なデジタルアウトプットが可能です。CoaxialやAES/EBUはもちろん、DSD128を支援するDouble AES/EBUおよび32Bit/384kHz対応のUSB OutputとNetwork(RJ-45)まで対応する最先端デジタル出力を通じて様々なDACとの接続が可能です。
特にWNAS3をWaversaSystemsのWDAC2やWDAC3と接続すると、WAPの段階が増えることで、更に優れた音質を提供するシナジーが得られます。WNAS3の3Level WAPとWDAC3の5Level WAPによって、8Level WAPを経ることになり、他のハイエンドDACでは追いつけない音質のハイエンドデジタルソース機になります。
▲ WaversaSystems WNAS3の後面
Analog Output
このように斬新で優れたデジタルソリューションを持つWNAS3のアナログ回路は更に優れています。アナログ出力はバランス(XLR)とアンバランス(RCA)を搭載します。アナログ回路はフルバランスディスクリート回路です。バランスと言っても内部はアンバランスで動作する形だけのバランス回路ではなく、各チャンネルの信号を正相、逆相の過程を経る真のフルバランス回路を搭載したというのは世界最高水準のデジタル&アナログ技術力を持つWaversaSystemsだからこそです。
フルバランス回路を搭載するプリアンプやデジタルソース機器は、100万円を超える製品も普通にあります。それだけ設計や部品の精度、製作が簡単ではないからです。しかしWaversaSystemsは、確かな独自技術でWNAS3にも真のフルバランスアナログ回路を搭載しています。これによって他にDACを追加しなくとも、WNAS3だけで、他の多くのDACでは追いつかない優れた音質が得られます。
専用リモコン
WaversaSystemsらしくWNAS3は非常に独創的なデザインの専用リモコンが付属します。ハイエンドオーディオのメーカーで、この価格帯の機器にこれほど良く作られたリモコンを作るメーカーがあったでしょうか。アルミを切削加工したWNAS3専用リモコンは四角形を伸ばした構造にボタンがレイアウトされています。
違うボタンを押し間違わずに、片手で操作できる優れたデザインを提供する独創的なWNAS3専用リモコンは、WNAS3の全機能をリモコン操作できるように作られました。
▲ WaversaSystems WNAS3と新型リモコン
音質最優先の設計
WNAS3はここまでに説明した多様な機能の他にも、音質についてほんの少しの妥協も無いWaversa Systemsらしい、音質を見据える多様な技術と果敢な仕様になりました。非同期方式CDT(Async CDT)、Perfect Ripping Support、FM信号の復元&補正技術(ADコンバータ・I2S・WAP・Digital Output)、WAP(Waversa Audio Processor)によるデジタル信号補正&補完技術、44.1/48kHz独立構成MEMS Master Clockシステム、超低消費電力Custom USB Driver、高速で安定的なHDL(H/W)処理方式設計、ディスクリート設計のフルバランスDAC(ES9038PRO DAC Chip)、ディスクリート設計されたヘッドフォンアンプなど、多様な機能が最高の性能が発揮するように設計開発されました。
各設計や性能についての詳しい説明は、WNAS3製品説明に今後追加します。
WCORE
今回の試聴会にもう1つ、Waversa Systemsの野心作がサプライズで登場しました。 WCoreです。 WCoreはROON専用プレーヤーです。ROONはコンピューターベースからなるソフトウェアです。foobar2000、J-Riverなどの音楽再生ソフトウェアとの一番大きな違いは、一般的なプログラムがWAV、FLACなどのデジタルフォーマットをそのままDACに伝送するのに対し、ROONは、すべてのデジタルフォーマットを独自分析、処理し、DACにRAWデータで信号を伝送します。▲ WaversaSystems WCORE(ROON)
もう1つの大きな違いは、ROONは曲についての情報を音源ファイルに入っているMetaデータを参照するのではなく、ROON自体が曲を解析し、該当曲の曲名、歌手、ジャンルなど様々な音源情報を抽出するということです。これによってMetaデータが入っていないWAVファイルもROONによって、簡単に音源の整理できるという大きな長所があります。
しかし、これだけ多くの処理をすると、一般PCでROONを動作させる場合、多くのリソースを使用し、PCに負荷が多くかかります。ROONをPCでお使いの方はご存知のように、ROON動作時、かなり多くのリソースを消費します。そしてPCのハイスペックなクロック、SMPS、GPU、冷却ファンなどによる多くのノイズがジッター発生など音質を悪化させます。
WCoreはこれらの点を考慮して開発したROON専用コンピューターです。インテルi3プロセッサを搭載し、メインメモリー4GB、128GBのSSDを内蔵したLinuxコンピューターシステムです。一般のパソコンとは違い、リニア電源を搭載し、ROON専用なのでビデオのグラフィックカードも作動せず、バッテリー駆動など、パソコンで発生する全てのノイズ源問題を最小化するハイエンドオーディオ用ROONコア専用システムです。
▲ WaversaSystems WNAS3
このように多芸多才なWNAS3は発売を間近に控え、今後のソフトウェアアップグレードも予定されています。
本当にハイエンド市場に由来を見られなかったデジタルソース機器の登場です。