WVPhonoX

まだいつ製品化になるかも分からない状態ですが、新しいソースプラットフォームを紹介します。

真空管を使用するすべての機器は、一つの難しい問題があります。真空管が消耗品であるということです。
ところが、この消耗品である真空管の現在の状態がどうなっているのか、アンプの中でどのような悪い作用をしているか分からないということです。
そして真空管が消耗して交換する時点に達するまでも、ある時急に使えなくなるのではなく、徐々に劣化し、様々な問題を起こし、ある日完全に使えなくなります。

最初は楽しく聴いていて、真空管の寿命が近づくと、「音がどうも良くない」、「バランスが悪い」など、色々と苦労します。

今回のWVPhonoXというプラットフォームは、今までのWaversaSystemsで開発してきて真空管機器、Vシリーズとは少し異なり、2つの分離されたボックス構成になります。

Main System、Equalizerで構成されます。
Main Systemは、他のソース機器でも使えるように設計を進めていて、例えばMain System、Equalizer、Pre-Amplifierでの構成も可能です。

MainSystemはひと言で言えば、電源装置にコントローラーです。大きなLCDパネルを搭載し、画面でコントロールでき、インターネットでソフトウェアのアップデートができます。
このボックスは少なくとも2つのコネクターがあり、Equalizer、Preなどとのボックスを接続すると自動的に認識して動作します。

WVPhonoXのEqualizerはフルバランスPHONOで、合計8つの真空管で構成し、70個の超小型リレーが動作し、無限のイコライザーカーブの設定が可能です。
そして36個の回路ポイントの電圧と電流をリアルタイムで測定し、真空管の状態と、回路全体のバランスもリアルタイムスキャンし、電流調整を行いバランスを半自動で合わせます。
この半自動とは、ユーザーの確認があって行われるということです。音楽を聴いている時に、勝手に変更してはいけないからです。

例えば、真空管の1つの性能が落ち、回路的に不安定性が確認されると、画面に表示して自動的にマッチングを行うかどうか確認し、マッチングを行います。最終的にマッチングが行えないレベルまで真空管が消耗すると、交換を勧める表示になります。

真空管製品は、ヒーターとプレート電圧の時間の順序は重要なポイントです。ヒーターによって十分に加熱されてない状態でプレートに電圧を印加すると、真空管の寿命に影響します。よって通常はヒーターで動作する整流管を使うが、更に確実な方法が温度センサーです。

WVPhonoXは真空管を温度センサー測定し、プレート電圧印加時点を確定します。
Main Systemは、最初にヒーターをオンにし、温度が一定点に到達するまで待機します。十分な温度にヒーティングされると、プレートの電源を供給します。そして各回路のポイントが適正動作電圧を維持してから、入力信号を開放します。

これらの自動化システムは、真空管特有の不便さや問題を解決するもので、本来の意図していたサウンドのデザインを維持する助けになります。

更に、ファームウェアのアップデートが可能なMainSystemによって、フォノカーブをレコード会社、年次等のパラメーターを選ぶ事も可能になります。これまでMCHや3Tでは25のカーブとゲイン設定の組み合わせを手動で行っていたことが、大きな機能向上となります。またユーザーがプリセットして好みのカーブを保存しておくことも可能です。

そしてEqualizerには3つの入力モジュールを搭載し、3アームを使っている方々も悩みから解放される予定です。

WVPhonoXは分離された電源、完璧なカーブ処理、フルバランス構成で、今まで以上にクリーンな背景と、厚い密度を提供します。